イチロー。

リオ五輪が開かれている間には、6日の広島の日、9日の長崎の日、そして15日の終戦記念日があった。さらに8日には、今上天皇のお気持ち表明もあった。8月、そのような月である。
イチローのMLB3000本安打達成もこの時期であった。

8月7日、リオ五輪中継の間に挟まれこの画像が流れた。
MLB3000本安打まであと1本となった、と。
この翌日(現地7日、日本では8日)、先発出場したイチロー、フェンス直撃の3塁打を放ち3000本安打を達成する。長い歴史を持つメジャーリーグで30人目。
イチロー、ピート・ローズが持つMLB最多安打4256本は、既に日米通算で破っている。ピート・ローズ、「日本のレベルは・・・」と難癖をつけているが、イチローは「ローズおじさんは・・・」と受け流している。
プロ野球のレベル、たしかに彼我の違いはあるであろう。が、ピート・ローズとイチロー、その人間度においてまったく異なる。ピート・ローズ、イチローの爪の垢を煎じて飲む必要があろう。
それはそれとし、MLB3000本安打達成である。

昨日のNHKスポーツニュースに、このような画像が流れた。
イチローのメジャー3000本安打達成の背景を探っている。

イチロー、すべては仰木監督から始まった、と語る。
当時のオリックス監督であった仰木彬、メジャーへ行きたいというイチローの思いを遂げさせた。2001年、イチローはシアトル・マリナーズへ。

時のマリナーズの監督は、ルー・ピネラ。
マリナーズへ来たイチロー、オープン戦の序盤は流し打ちばっかりだったそうだ。で、監督のルー・ピネラ、こう語る。
と、次の打席でイチローは、右翼スタンドへホームランを打ちこんだ、とルー・ピネラは語る。とても楽し気に。

MLBでの3000本安打を達成した後、イチローはこう語る。

こう語り、続けて・・・
「それを味わうと次へのやる気、モチベーションは生まれてくるとこれまでの経験から信じているので、これからもそうありたい」、と語る。
そうであろう。プロの野球選手であるイチロー、そうであるからこそメジャーという場で成功した。
ところでイチロー、こういうことも言っている。
「これからは感情を少しだけ見せられるように・・・」、と。
どういうことだ。「感情を少しだけ」なんて。
イチローという男、クールな男であった。自己中心的な男、と言われたこともある。とても合理的、理知的、イチローを兄貴と慕う川崎ムネリンなどとはまったく異なった男である。
そのイチロー、ずっと感情を押し殺していたのか。「これからは感情を少しだけ・・・」、という言葉を聞くと。
これからのイチロー、どこへ行くのであろうか。
何年か後、MLBを引退した後のことである。
その時には、ずっと固辞していた国民栄誉賞も受けるであろう。それはそれとし、オリックスの監督になるのかもしれない。しかし、イチローの将来、それでは収まらないような気がする。少なくとも参議院議員などにはなってほしくないが。