黄金のアフガニスタン展。

ウズベキスタンのサマルカンド、イランのイスファハン、トルコのイスタンブール、思い出に残る文明の十字路と呼ばれる街である。
アフガニスタンの街々も文明の十字路と言われる。が、今となってはアフガンに行くことはできない。外務省の海外安全HPではアフガニスタンは真っ赤。最高レベルのレベル4、退避勧告が出ている。今さら命が惜しくはないが、イスラム過激派にヘタに捕まり、日本政府宛の命乞いの言葉を喋らされるのには耐えがたい。
それにしてもここ数十年のアフガニスタン、激動の中にあった。
1979年、旧ソ連が軍事介入した。冷戦時代である。
1989年、ソ連軍は撤退するが、次々と勃発する内戦。カブールのアフガニスタン国立博物館も手酷い被害をこうむる。爆撃も受ける。砲撃にも。略奪にもあう。
国立博物館の館長以下の職員、アフガンの宝を隠す。大統領府の中の中央銀行の地下金庫などに。
それが、悪名高いタリバン政権が崩壊した後の2004年、表に出される。その品々が世界各地の美術館、パリの国立ギメ美術館、大英博物館、メトロポリタンなど世界の名だたる美術館ばかりを周り、日本へと周ってきた。

4月初旬の東博、表慶館。
緑の柵があり、予告の文字も。

彫が深い白い顔、髪をスカーフで覆った女性がいる。中央アジアから西アジアにかけての地で見かける顔である。アフガンの人であるかは解らないが。

5月初旬の東博正面横。
チャリンコが停まっている。

表慶館入口。
「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」、という言葉は、再建されたアフガニスタン国立博物館に掲げられている言葉だそうだ。

≪キュベーレ女神円盤≫。
前3世紀の車に乗った大地の女神。

≪マカラの上に立つ女性像≫。
1世紀。象牙製の妖艶な女神。

≪襟飾≫。
1世紀。金、トルコ石、ガーネットの贅を尽くした飾り。

≪ドラゴン人物文ペンダント≫。
1世紀。ドラゴンをあやつる王の飾り。

1979年以来のアフガニスタン国立博物館の勇者たちの物語、となっている。
それはそうである。

が、しかし別の場で、当時の館長はこう語る。
タリバンの蛮行を止めることはできなかった。博物館の収集品の70%が破壊されたり略奪された、と。略奪された文化財は、欧米諸国、そして日本へも流れてきた。
いわば「流出文化財」。
本展と並行して素晴らしい展覧会が催された。「アフガンの流出文化財」に関し、藝大で。
それは、明日。


イギリスのEU離脱、日本時間昨夜半開いたNYダウも大きく値を下げた。
昨日一日で失われた全世界の資産、2兆1千億ドル、日本円では215兆円になるそうだ。その端の端の端っこには私の損失も幾ばくか。それよりもである。
私には、スコットランドの自らのゴルフ場を訪れているドナルド・トランプと、モスクワのプーチンが気になった。
トランプ、「イギリスは独立した。11月にはアメリカも独立する」、と語る。ドナルド・トランプ、どこまでのバカなのか。
昔、クラッシャー・リソワスキーというプロレスラーがいた。クラッシャー、壊し屋である。当然、ヒール。が、私は、案外好きだった。
ドナルド・トランプ、その壊し屋・クラッシャー・リソワスキーに重なる。しかし、リソワスキーは可愛げがあったが、トランプはいけない。ワルはワル。
それよりも、プーチンである。
イギリスのEU離脱を受け、思わずゆるみそうになる頬を懸命に抑えようとしていた。ヤな男である。しかし、その原因を作ったのはイギリス国民。