パディントン。

イギリス人は探検が好きで、あちこちへ探検に行っている。
アフリカはもちろん、中東へも、アジアの奥地へも。富の収奪ではスペインやポルトガルに後れをとった南アメリカへも。
昔、ペルーの奥地へ探検に行ったイギリス人がいた。昔といっても話の運びからすると、20世紀の初めごろのことであろう。そのイギリス人探検家、ペルー奥地のクマと交流を持った。英語を教え、イギリス風のマナーも教えたようだ。
何年か後、ペルーで大地震が発生、ペルー奥地の一匹のクマがイギリスを目指し船で密航する。くたびれたトランクに、大好きなマーマレードのビン詰めをいっぱい入れて。
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『パディントン』、マイケル・ボンド原作の『クマのパディントン』の実写化。監督は、ポール・キング。
イギリスの港に着いたペルー奥地からのクマ、ロンドンのパディントン駅の遺失物扱い所の前に座っている。その夜の宿はどうしようかと思っているのに、誰も声をかけてくれない。

パディントン、ヒースローからヒースロー・エキスプレスで15分ぐらいで着く。驚くほど速い。が、料金も驚くほど高い。
パディントンには思い入れがある。8年少し前、2007年の暮れ、パディントンに一週間滞在していたのだが、その間、ホテルを3度変わった。
8年前、円の為替レートが思いの外安くなった。日本を出る前に考えていたより、感覚的には2割ほど円安に振れていた。イヤーこれは金がかかる、安いホテルに移ろう、とまずはとびきり安いホテルへ移った。最初のホテルは2日泊まったのみで。
しか−し、とびきり安いホテルには、それはそれで、安くしている事情がある。
イギリスのホテル、基本的にはB&Bが多い。ベッドと朝飯のみ。朝飯がパンにバターかジャム、それにコーヒーか紅茶のみ、というのはかまわない。理解できる。それはいい。
しかし、夜中にスチームが切られるのには参った。ヨーロッパの冬はとても寒い。スチームを切られると、とても眠られない。安さも寒さにはかなわない。すぐに、再びの宿替え行動を起こした。
ロンドン中心部から少し離れているパディントン、東京でいえば上野のような所。ナショナルレールや地下鉄が発着する。駅の周りには、様々なホテルがある。名の知れた一流ホテルから、施設はさることながら値段で勝負というホテルまで。
多くのホテルの入口には、”Vacant”という札が掛けられている。「空室あり」ということである。そのホテルの佇まいを推し測り、料金はどの程度か、と考えホテルへ入る。もちろん、まずは部屋を見せてもらう。その部屋の様子と朝食、それが示された料金と見合うか、そのコストパフォーマンスを見極める。
8年前、パディントンで泊まった3軒目のホテルは、コスパのいいホテルであった。私には、半分も食えなかった朝飯も含め。

イギリスには、「王立地理学会」というものがある。
いかにもの名前である。
ペルー奥地のクマに英語を教え、イギリスの紳士道を教えたのも、王立地理学会の探検家。
が、学会の主流派と思いが合わず、裏舞台へ。謎の美女ミリタント・その娘が父親の復讐を誓っている模様。ややこしいな。

近所のシネコンにあった、この作品のささやかなスタンディ。

『クマのパディントン』(マイケル・ボンド さく、R.W.アリー え、木坂涼 やく、2012年 理論社刊)の絵本から。
ペルー奥地からロンドンへ来たクマがパディントン駅でブラウンさん一家に会う場面。
ペルー奥地からのクマ、パディントン駅で会ったから、パディントンと名付けられる。

こういう名札を下げていたんだ。
パディントンと名づけられたクマ。


バラク・オバマ、2日前からキューバへ行っている。アメリカ大統領として88年ぶり。
ラウル・カストロとは会談ばかりじゃなく、野球観戦も行っている。
たとえ10分でも15分でもいい、アメリカ大統領、バラク・オバマ、フィデル・カストロを訪ねないかな、と思っていたがそれはなかった。
オバマとは、思いを共有するすることはあるが、世代は明らかに違うんだ。そのこと思い知る。


ブルッセルでテロが起こった。ISが犯行声明を出した。
体制対体制、東西冷戦、キューバ危機のころが懐かしい。
何やら解らぬIS、一体どうなるのか。