山口小夜子 未来を着る人。

漆黒の髪に切れ長の目を強調したアイライン、山口小夜子は、アジア人初のトップモデルとして世界のモード界を席巻した。
パリコレへのデビューは1972年、1977年には、「ニューズウィーク」に世界のトップモデル6人のひとりとして選ばれている。
1973年からは資生堂の専属モデルとして、資生堂の世界進出に大きな貢献をしている。アイラインこそが山口小夜子のアイデンティティー、小夜子メークが世界を魅了する。

「山口小夜子 未来を着る人」。
山口小夜子、自身を「ウェアリスト」と称していた。「着る人」だ。
山口小夜子、世界を股にかけるトップモデルとして、ウェアリスト・着る人を実践した。が、だんだんと表現者、創造者となっていく。ジャンルを横断するパフォーマー、クリエイターとなっていく。晩年には、若い世代のアーティストたちとのコラボレーションを行ない、時代の最先端を走り抜ける。

トップモデル時代の軌跡や、10数年に亘る資生堂のポスターなどの展示がある。それらの撮影は許されていないが、とても質の高いもの。山口小夜子の存在感これでもか、と迫ってくる。

で、チラシを複写した。

<ほのかな香りほど悩ましい。資生堂練香水[舞]>。
撮影:横須賀功光、AD:中村誠。1978年のポスター。

撮影:下村一喜。2005年。
死の2年前の山口小夜子。

ここからは撮影が許される。

こういうものが現われる。

こういうもの。

exonemo(エキソニモ)の作品である。
タイトルが長い。
読めるかな。念のため・・・
≪あなたはあなたのイメージ。いつかこの世界を立ち去るとき、それは決して消えることがなく、もうひとつの世界の側に、保存されている。後から見る人はあなたが、いまは存在しないと信じないかもしれない。それでもあなたは存在しないと言えるのだろうか。≫、というもの。
少しおかしな言葉づかいはさておき、エキソニモ、どういうことを言っているのか。
それ以前に、エキソニモって何者だ。千房けん輔と赤石やえのユニットだそうである。知らなかったが、メディアアートの先端を走る作家だそうだ。
2015年作のこの作品、エキソニモ、下の方に謝辞を記している。
山口小夜子、横須賀功光、横木安良夫、ピエール・アンド・ジルのそれぞれに。
どういうことか。
写真やポスターの画像から山口小夜子を消し去った、ということのようだ。山口小夜子の存在を消し去ったんだ。肉体が消滅してもなお、イメージとして拡散されつづける山口小夜子という存在。その存在と消し去った不在の間を問いかけている。
何とも不思議であるが、これが先端を走るアートのひとつの姿なんだろう。

これも、

これも、

これも、

これも。
みんなエキソニモの長いタイトルの作品。
その作品、すべて主人公を消し去った作品世界。1000人中、999人は頭をひねるであろう。

どうも、元の作品は、このようだ。