三陸沿岸紀行(7) 三陸鉄道久慈駅。

いよいよ三陸鉄道・三鉄の北リアス線に乗る。

三陸鉄道久慈駅。

久慈駅、入口は鄙びた感じもある。しかし、中へ入ると元気いっぱい。
券売機の横も、すべての壁面、有効活用。

待合室には、手頃な価格帯のお土産というか名産品が並んでいる。
「うにほたて」とか、「の田塩」とか、「いわしせんべい」とか、といったものが。1000円を超える商品はひとつもなかった。いいなー。

ホームへ渡る跨線橋の階段を上がる。

階段には、このような文字が。

お座敷列車もあるんだ。

ホームを跨ぐ跨線橋の壁面にも、さまざまな垂れ幕や貼り紙が。
三鉄北リアス線、昨年4月6日に全線復旧した模様。そうか、全線復旧まで3年を要したんだ。
「陸中野田」とか、「野田玉川」という駅名がある。先ほど駅舎の中で売っていた「の田塩」は、ここで作られた塩なんだな、おそらく。

8月1日発行の「じぇじぇじぇ通信」が貼ってある。
三陸鉄道では、8月1日から16日までの間、JR東日本と共同で盛岡から宮古を経由し久慈までの「さんりく北リアス号」を運行する、というようなことが記されている。期間限定、一日一往復。
三陸鉄道ってのは、一所懸命、一生懸命の鉄道会社なんだ。

久慈小学校の2年生のよい子たちからの「ありがとうございました」、という文章も貼られている。
<でんしゃにのせてくれて、ありがとうございました>とか、<おざしきれっしゃをみせてくれて、ありがとうございました>、といった可愛いよい子直筆の文言が並ぶ。

跨線橋の通路の上も無駄にはしない。
明るくー、明るくーなんだ。

ホームは左下。

<不思議の国の北リアス>、<北リアスの旅へGO!>。
あちこちに「1」という数字が書かれた幟がある。北リアス線全線復旧1周年を示す「1」である。

<ようこそ北三陸へ!>。<「あまちゃん」のロケ地です>、という文字も。「あまちゃん」、2年前のドラマなんだな。

三陸鉄道の車両は、いずれの車両もハデにペイントされている。
幾つもの企業が支援している。ここには、「Della」と。

<ココから号 心と身体にやさしい応援プロジェクト>、と書かれている。<デラは心と身体にやさしい街づくりを応援します>、とも。ヒーリング・ミュージックのDella、三鉄支援は企業ポリシーにも合致するのだろう。


昨日、「こうのとり5号」が種子島から打ち上げられた。国際宇宙ステーションへ物資を届けるそうだ。
その経緯が面白い。
何でも、アメリカとロシアの宇宙への運搬ロケットの打ち上げが、共に失敗続きなんだそうだ。で、日本へ助っ人を頼んできたらしい。「お前、頼む」って。
アメリカとロシアが上手くいっていないのを助けるって、日本の技術力は凄いんだって改めて思う。誇らしい。
が、この件に関しては、誇らしいってことよりも、愉快という感覚が強いな。


それに引き比べ、2020年のオリンピック、パラリンピックのエンブレム問題は、とても不愉快だな。
ロケット・テクノロジーばかりでなく、アニメ、マンガ、デザインといった日本のソフトパワーも世界の先端を走る、と考えていた故である。
佐野研二郎のデザインとベルギーの劇場のロゴ、似ているといえば似てはいる。しかし、このようなことは有り得ること。そう思っていた。しかし、その後もさまざまなことが出てくる。
サントリーのトートバッグなど、完全にパクリだよ。トレースなんて言葉を使っているが。コピーそのもの。その他にも一つ二つじゃない。毎日ひとつくらい「パクリだ」ってものが出てくる。
今や問題は、東京オリンピック、パラリンピックのエンブレムをどうするかである。
ベルギーの劇場は商標登録をしていないとか、著作権侵害で争そっても勝つとか、そういう問題ではない。IOCがどう言っている、なんて問題でもない。
おそらく、日本国民の9割以上の人が、あのエンブレムを使いたくないと思っている。そのようなエンブレムのデザイン、一刻も早く取り下げるべきであろう。こうなった以上、佐野研二郎は。
しかし、デザイナーの佐野研二郎以上に責任を問うべきは、佐野研二郎のデザインを選んだJSCである。
JSC、安藤忠雄に押し切られたメインスタジアムばかりじゃなく、エンブレムでも博報堂の意のままになっている、と思わざるを得ない。
競技場問題、エンブレム問題、次々とどういうことか、という問題が起こっている。責任の所在を突き止め、責任者にはけじめをつけてもらわなければならない。少なくともJSCのトップは責任を取る必要があろう。さまざまなことの、経緯を知ろうと知るまいと。
阿南惟幾のごとく、物理的に腹を掻き切れとは言わない。しかし、職を辞する程度のことは必要あるのではないか。
責任を取らないということになりつつある日本、とても不愉快。