四谷荒木町。

四谷の荒木町で飲んでいた。
荒木町で飲むのは久しぶり。
雨模様の夕刻、新宿通りから荒木町の方へ折れる。細い道幅の両側の店、多くは灯が入っていた。荒木町、健在だ。
今日は、江戸川区と葛飾区のエキスパートである酒飲みと会う。去年の秋以来、久しぶり。二人を共に知る人、二人と共に。江戸川区と葛飾区のエキスパート、東京湾岸を撮った写真をケースに入れて持ってくる。
青っぽい写真が多い。パソコンで様々な処理をしている模様。
以前にも行ったことがある風情のある店でご馳走になる。
飲んでいるうちに、向うの方に気になる文字が目についた。

「烈」という字が目についた。
店の人は、「国士無双の烈です」、と言う。

近づく。
「烈」、北海道旭川の高砂酒造の特別純米酒らしい。
<蔵人の烈火のごとき魂と清流のごとき心を伝える真髄の酒>、と記されている。
さらに、
<”激しく・篤く・優れた”「烈」は、一語でそれらの意味を伝えます>、とも。
国士無双「烈」を頼んだ。
真髄の酒かどうかは、解からなかった。が、口にあった。美味かった。

魚が多く出た。
お造りは、ずいぶん厚く切られている。重量感がある。

アジのひらき。
美味かった。

クジラのベーコン。
クジラのベーコンと言えば、赤い色で硬い歯ごたえのベーコンを思いだす私には、上品すぎるものであった。
実は、クジラのベーコン、たまには食べている。浅草にそれを売る店がある。そのクジラのベーコンは、私が子供の頃から知るベーコンである。
しかし、このとろけるようなベーコン、はっきり言えば、やや違和感があった。クジラのベーコン、こんなに洗練されていいのかな、と。

「荒木町商店会」という短冊がスダレについている。
今日、四谷荒木町の「夢風船」で、国士無双「烈」を飲んだ。