女神は二度微笑む。

世界一の映画大国がアメリカからインドへ移って久しいが、ボリウッド、量ばかりじゃなくその質においても、その存在感は増している。近場の作品でも、『マダム・イン・ニューヨーク』や『めぐり逢わせのお弁当』はじめ洒落た作品を生みだしている。この『女神は二度微笑む』も、ハリウッドがリメイクするそうだ。
ボリウッド、恐るべし。
2年前、地下鉄で無差別テロがあったコルカタへ、ロンドンから身重の女性・ヴィディヤがやってくる。出張でコルカタへ行った亭主の行方が分からなくなったんだ。で、真実を調べるためにコルカタへ。
しかし、亭主が滞在していたホテルでも、仕事先でも、亭主がいたという記録はない。杳として消えたのか。
気のいいお巡りや国家情報局のエージェントも出てくる。殺人も起こる。
物語は二転三転する。

映画館のポスターや看板、それをどう貼るか、どう立てるかということもさまざまだ。
渋谷のユーロスペース、そっけない工場の入口のような所にこれが立っていた。

『女神は二度微笑む』、監督はスジョイ・ゴーシュ。
インドのアカデミー賞であるインド・フィルムフェア賞で監督賞、主演女優賞他5部門の賞を取ったそうである。

コルカタ、今も混沌とした街。
コルカタのあちこち、コルカタの街中を歩きまわる気にもさせてくれる。見知った所も出てきて面白い。

インドがIT大国だということを忘れてはいけない。
ロンドンからコルカタへきた身重の主人公ヴィディヤ、ITセキュリティーの専門家でもある。ヴィディヤ、IT技術を駆使し姿を消した亭主を探す。

中央はヴィディヤ、左の男はヴィディヤを助ける気のいいお巡り。そして少し分かり辛いが、右はヒンドゥーの女神・ドゥルガー。
ドゥルガー、優美な神でありながら戦いの神でもある。二面性を持つ。だから、”・・・二度・・・”のタイトルとなる。
最後の最後、「ウッ」っと唸る。何とナンとの大どんでん返し。ストーリーテリングの才、冴え渡る。ハリウッドでのリメイクも、それ故でこそ
それはそれである。
が、ヴィディヤに扮した女優が気にかかる。美人という言葉では、とうてい追いつけない美形。

この地上には、時として、驚くべき美女がいる。
私が知る範囲では、それは、インド、メキシコ、イラン、スペインにいる。いずれも赤道のやや上、北側の国である。
特にインド。時に、卒倒してしまうのではないか、と思われる美人にいきあたる。卒倒するのは、もちろん、こちら側。(もちろん、そうじゃないお方も多くいます。念のため)
『女神は二度微笑む』の主人公・ヴィディヤに扮したのは、ヴィディヤー・バーラン。
髪は鴉の濡れ羽色。かてて加えてこの顔貌。

インド美人の極めつけは、目である。
二重の彫りは、あくまで深く、その奥には漆黒の目。


ニューヨークでのクリスティーズのオークション、パブロ・ピカソの「アルジェの女たち(バージョンO)」が、1億7900万ドルで落札されたそうだ。日本円では215億円。これまでの最高額、フランシス・ベーコンの三幅対の1億4200万ドルを超えた、という。
ジャコメッティのブロンズ像「指さす男」も、1億4100万ドル(約169億円)で落札されたそうだ。これも競売にかけられた彫刻としては、史上最高値。
報じられてはいなかったが、ニュース映像では、ジャコメッティの作品の左にマーク・ロスコの作品が見えた。ロスコの50号ばかりのタブローが。
ロスコのタブロー、幾らぐらいの値がついたのだろう。1億ドルとは言わないまでも、ヒョットしてそれに近い値で落札されていたのかもしれない。
別次元の話ではあるが、面白い。