博物館に初もうで(3) 今年の吉祥模様。


「東博に初もうで」の本館2階特別1室、毎年、その年の干支に関するものと共に吉祥模様が展示される。
その吉祥模様、その年担当の学芸員により異なる。学芸員の好みやバックグラウンドによって変わってくる。

今年担当の学芸員は、こう記している。

伝雪舟の≪梅下寿老図≫。

東博の説明は、こう。

≪松鷹図≫。

こういうもの。

左の軸へ近づく。
鷹、鋭い眼差し。

右の軸へも。
武士の命、鷹の動きに重ねてたんだ。

衣装人形≪鶴亀≫。

こういうもの。

「蝦夷錦陣羽織」。

江戸時代、こうした中国渡りの豪奢な錦が、蝦夷地や琉球を経由して日本へ伝えられていたんだ。

蝦夷錦陣羽織へ近づこう。
牡丹柄の上下には、鳳凰と龍が多く織りこまれている。そのすべては吉祥紋。
さらに、見逃せないのは、龍の爪。五爪の龍である。五爪の龍、皇帝のみに許されたもの。
これほどの吉祥模様はない、と言えようか。