師走 東京夜景(2) 首都高。

3〜4日前のこと、年に数回飲む日本酒大好きの男と飲んだ。二人を共に知る人と3人で。
町中の小さな店であるが、その数日前、犬飼三千子の小品展を観に行く前に区役所通りで飲んだ店、もつ煮込み300円の店とは、やや趣きを異にする店。お椀、お造り、煮物、・・・、小ぶりな料理がほどよい間合いで出てくる。〆のトロロそばまで、出された料理すべて食べた。私としては珍しい。
それよりも、多くの酒を飲んだ。
初めは、そば焼酎のお湯割りであったが、すぐ日本酒に変わった。
テーブルの上には、一辺10センチばかりのこのような紙片があった。

山口県岩国の旭酒蔵の純米大吟醸「獺祭」からいった。

ついで、福島会津若松の「寫楽」。初しぼり純米酒。”初しぼり”、今の時期だけだそうだ。次いでは、高知、司牡丹酒造の純米吟醸・「一蕾(ひとつぼみ)」。そして、山形、高木酒蔵の中取り純米「十四代」無濾過。
すべてフルーティー。日々、安い焼酎のお湯割りを飲んでいる私には、どれがどれやら、という感もあったが。

ずいぶん酔った。
新宿から首都高速へ乗る。

赤坂トンネルを抜けたところあたりであろうか。

この赤いのは何なんだ。クレーンじゃないだろうが。

竹橋か大手町あたりであろうか。
東京だなー。

箱崎の手前、江戸橋ジャンクションのあたりであろうか。対抗車線の車が流れる。

向島線に入る。
車の前方ガラスには、前の車のテールライトが。その上、運転席と客席を隔てる透明板には、後ろの車のヘッドランプが映っている。面白い。

揺れている。
”揺らぎ現象”とか”揺らぎ理論”で、ノーベル物理学賞を取った人はいないのかな。
アサヒビールの黄金のウンチも飛び去った。
と、暫らくすると、これが現われた。

向こうの方にスカイツリーが現われる。

流れるように走り去る対抗車線の車の向こうに。

今、東京を代表する夜景のひとつであるスカイツリー、アッという間に流れていく。

堀切ジャンクションが近い。
ここまで来ると、首都高の東京夜景は終わりとなる。