関東新象展。

何やかや出かけていたり、何やかや酔っぱらっていたりが続き、数日お休みとした。
また犬飼三千子がらみであるが、今月初旬の関東新象展。山脇学園という学校があることは知っていた。しかし、山脇美術専門学院という学校があることは知らなかった。そこに山脇ギャラリーがある。

山脇ギャラリー、市ヶ谷駅からすぐ、靖国通りに面している。

そこそこ広い。このようなスペースが3つある。
左手に犬飼三千子の作品が見える。

犬飼三千子≪花に寄せて≫。
木版画。犬飼、このシリーズずいぶん制作している。

吉田佑子≪Circulation≫。
いつぞや、都の美術館での新象展の折り、犬飼の作品の隣りの大きな作品をスケッチしている人がいた。小さなイスにちょこんと座り、なかなか絵になる。で、声をかけた。「私は、この犬飼三千子の友だちで、彼女の写真を撮っているのですが、貴女のことも撮っていいでしょうか?」、と。返ってきた答えは、「私、姉です」、というもの。
ヘー、と驚いた。写真も撮らせてもらった。それが犬飼の姉・吉田佑子さんだった。印象に残っている人である。
これは、自作の写真。

相本みちる≪しんかい(心界)魚≫。
相本さん、いつか銀座奥野ビルで会ったパワフルな女流作家。彼女独自の軍手を使った造形。”しんかい魚”って、”深海の魚”かと思ったら”心界の魚”、ということだ。”心界”って、軍手の魚も面食らっているんじゃなかろうか。

反対側に、一心に制作している人がいた。
私が山脇ギャラリーへ行ったのは、初日ではない。しかし、この人は制作を続けている。

白いボール紙で何らかの立体を作っている。
周りには、カッターナイフやガムテープが散らばっている。何となしに惹かれた。
会場には、新象展の人であろう人が何人もいて、あちこちで話をしていた。しかし、誰一人この人に話しかけない。そういう雰囲気ではない。話しかけようか、と思った私も、結局話しかけることはできなかった。

果たして作品は成ったであろうか。気にかかる。
その後に会った犬飼三千子にこのことを話すと、「私は膝を痛め杖を突くようになったからその後行っていないが、おそらくできていますよ」、と軽い調子で言った。
そうであればいいが。

師走12月、クリスマスの月でもある。
外へ出たら、山脇ギャラリー、小さな電飾の上に浮かんでいた。


今年も残り僅かとなった。
酔っぱらってぶっ倒れる寸前、ということもあり、ブログを書くことも能わず、お休みにしたこともある。で、年内にと思いながら積み残したことも幾つかある。
日本国宝展に併設されていた「国宝再現」の展示、千葉市美術館での「赤瀬川原平の芸術原論展」、東京都現代美術館での二つの特別企画展。いずれも興味深いものであるが、年内に触れることはできなかった。尻切れとんぼになる故、今は触れず来年に持ち越すこととする。