六義園 晩秋夜間。

12月初め、東博を出た後、食事をし、コーヒーを飲み暫らく休んだ。
でも、なんだかなー、という気がする。東博庭園の紅葉、盛りを過ぎていた。物足らない。フト思いついた。六義園はどうであろうか、と。六義園の駒込までは、山手線で四つ五つ、すぐそこである。
行った。

ライトアップは7日まで。それまで数日を残す日であった。
晩秋、陽が落ちるのは早い。六義園、すでに真っ暗。

空には、青黒い雲が次々と流れていく。
その間に間に、青白い月が顔を出す。

この木の股にも、青白い月。

六義園、広い。江戸時代、元禄15年(1702年)に造られた「回遊式築山泉水庭園」である。
玉藻の磯あたりから、中の島を通し対岸を見る。
ライトアップされた木々も雪吊りも、合わせ鏡の水面に写る。

このように。
池の水面は真っ黒。空には、青黒い雲がゆっくりと流れる。

暗闇の中を歩く。幾つかの茶屋が現われる。
団子、おでん、トン汁などを商っている。12月初めと言えど、冷える。私は、トン汁で暖まった。もちろん、冷気の中、ビールを飲んでいる人もいた。

元は蓮池であったという水香江では、幻想的な場面を作りだしていた。青い水辺は、あのLEDだそうである。
木々の上には、青白い月。趣きがある。

と、スモークが流れてくる。
違和感を覚える。やり過ぎだ。

せめて、この程度のライトアップにすべきじゃなかろうか。

ライトアップされた木々。上空の青白い月。いいなー。

「六義園」と墨書された行灯に送られ、六義園を後にする。
安い居酒屋へ寄ってから、家へ帰る。