アナと雪の女王。

夏前、まだ初夏の頃、遊びにきた孫娘が、「ありの〜ままで〜」と歌い出した。連れてきた娘に、「あの後の歌詞も合ってるのか?」、と訊いた。「合ってる」、と言う。で、「教えたのか?」、と訊いた。「いや、you tubeを見ていたら覚えちゃった」、と言う。
映画『アナと雪の女王』がヒットし、その主題歌もそうであることは知っていた。しかし、まだおしめをしている2歳半の小娘までがその主題歌を歌っている。それほどの映画であることに驚いた。
そのひと月ほど後、6月末の朝日に高橋源一郎の論評が載った。
『アナと雪の女王』を観に行った、という。公開から大分時間が経っているが、空席がなかった、と書き出される。が、高橋源一郎がその場で記しているのは皇室論。中森明夫の『アナと雪の女王』論を紹介している。
中森明夫、「中央公論」から『アナと雪の女王』に関する原稿を依頼され、入稿したそうだ。だが、中公から、掲載を拒否される。理由は、不明。で、中森明夫、その原稿をネットで公開した。
高橋源一郎、それを紹介している。

『アナと雪の女王』、私は8月に近所のシネコンに観に行った。上映時間が迫っていたということもあろうが、切符は買えなかった。
公開から半年近く、いよいよ終わるという8月末、少し余裕を持った時間に観に行った。そこそこ入っていたが、満席ではなかった。半年近くになるんだからな、それにしても。
それにしても、ディズニーのアニメを観ることなんて、久しぶり。ついていけるかな。
アンデルセン童話を下敷きにしている、という。
自らの魔法の力を制御できない、それ故、自らを閉じ込める女王・エルサ、とその妹であるアナの物語。

中森明夫、こう記している。
自らを抑えつけている人について、魔法の力を持つ女王・エルサに模して。皇太子妃・雅子妃殿下のことを。
外務省の有能なキャリア官僚であった小和田雅子さん、皇太子妃となったとたん、求められたのは、子供を産むことのみ。それも、男の子を。
持てる有能なる力など、押さえて抑えてとなる。雅子妃の苦悩、ほぼ10年に亘る。エルサの苦悩より、遥かに長い。

アナ、その右には山男のクリストフ。アナに想いを寄せている。左は、雪だるまのオラフ。
ディズニーのキャラ、やはり凄い。

”真実の愛”って、観客の思いをはぐらかすような仕掛けもあるが、それを経たものはどうってことないもの。
それはそれとし、やんごとない方々の胸中も察しながら、まだおしめをつけていた孫娘の「ありの〜ままで〜 ・・・・・」の歌声を思い出す。