それでも夜は明ける。

あれやこれやとあり、映画のことごとも間遠となったが、これから暫らくの間、映画がらみのことを記す。
アカデミー賞の授賞式、毎年3月初めに行なわれる。今年は第86回目のアカデミー賞であった。今となっては半年遅れでナンであるが、まずその今年のアカデミー賞のあたりから入っていく。
何と言っても作品賞である。今年、作品賞にノミネートされたのは次の作品。
『アメリカン・ハッスル』、『ダラス・バイヤーズクラブ』、『キャプテン・フィリップス』、『ゼロ・グラビティ』、『her 世界でひとつの彼女』、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』、『あなたを抱きしめる日まで』、『それでも夜は明ける』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の9作品。
『キャプテン・フィリップス』は見逃した。『ゼロ・グラビティ』は、この手のものは苦手なので見なかった。ジュディ・デンチ主演の『あなたを抱きしめる日まで』は、見よう見ようと思いながら見逃した。が、あとの6作品は観た。
いずれにしろアカデミー賞、作品賞にノミネートされた作品を中心に展開する。監督賞も、主演男優賞も主演女優賞も、男女の助演賞も、その他の賞も。
で、結局・・・・・

アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、・・・・・、と9部門にノミネートされていたこの作品、『それでも夜は明ける』が作品賞を受章した。

原題は、”12 years a slave”、「奴隷としての12年」。
この春の時点で、世界の映画賞112受章、307ノミネート、となっていた。

アメリカでのリンカーンによる奴隷解放宣言は、1962年のことである。しかし、それ以前から、「自由黒人」と言われる解放奴隷が存在していたようである。
1941年、ワシントンDCで自由黒人であるヴァイオリン奏者である解放奴隷が誘拐される。
その後、12年間に亘り南部で自由を拘束された奴隷として、厳しい時を過ごす。
一番左端に映っているのは、ブラッド・ピットである。ブラッド・ピッド、この作品の制作に関わっている。役柄に於いても、主人公の黒人への思い入れを深く表す。ブラピの真骨頂。

監督は、アフリカ系イギリス人のスティーヴ・マックイーン。アフリカ系黒人初のアカデミー賞作品賞の受賞者となった。
アフリカ系アメリカ人でなく、アフリカ系イギリス人であるところに、歴史を掘り下げるさまざまなものごとが詰まっているのではなかろうか。


今日、驚くべきニュースが飛びこんできた。
全米オープンテニスで錦織圭が決勝へ進出した。セミファイナルで、世界ランクトップのノバク・ジョコビッチを破って。
錦織、ベスト8、ベスト4までも世界ランクトップ10の選手を破り勝ち上がってきた。しかし、テニスの世界、その壁は、ジョコビッチ、ナダル、フェデラー、マレーのビッグ4にある。このビッグ4の壁は、厚いどころではない。
しかし、錦織圭、今日そのトップのジョコビッチを破った。
何ということ。
決勝でも勝ち、全米オープンのチャンプとなるのではないか。今までの経緯を見ると、その確率は高い。
それはそれとし、錦織の昨年の稼ぎが10億円を越えている、ということにも驚いた。今年のそれは、更なる金額であろうが。
それよりも、アメリカの専門機関の予測によると、錦織圭の2年後の価値は1億ドル(100億円)となるという。60何億の中の何人なんだから、それも当然であろうが。