夏の記憶2014(3) 空と水。

昨日、今日、代々木公園で発生したデング熱の国内感染で、代々木公園の8割、明治神宮の一部が閉鎖された。
暫らく前ではあるが、代々木公園からずっと東へいった木場公園の北側、MOT(東京都現代美術館)の入口を入ったエントランスロビーの右手上のガラス窓には、このような文言が浮かんでいた。

真夏の青空に白い雲が広がる。
<恋人は眠っている。その血を吸った蚊が青空を漂っている。私は・・・・・。恋人は・・・・・。・・・・・星が燃えている>。
代々木公園の蚊はヤバイが、木場公園の蚊は恋人の血を吸っている。青空の下、甘い血を。

MOTの奥、常設展会場の3階から1階へ階段を下りる。
大きなガラス窓を通し、途中から下を見る。
右手の方は、エントランスロビーの突きあたり、ソファーに座っている人が小さく見える。左手には、ガラスの向こうに白い立体作品がある。水が張られている水面にそれはある。水面に影が映る。

ハンガリー生まれの女流作家、マルタ・パンの立体作品≪裂けた球体≫。
木場公園の緑の木々を背景に、白い立体、さまざまな表情を水面に映し出す。


久しぶりに凄い試合を見た。フジテレビの今夜の中継。
WBC世界フライ級のタイトル戦。チャンプ・八重樫東の4度目の防衛戦の相手は、最強の挑戦者・ニカラグァのローマン・ゴンサレス。
何しろローマン・ゴンサレス、アマチュアで87戦無敗、プロ転向後も39戦無敗、内33KO。126戦して全勝、というとんでもないボクサー。上手くて強いボクサーであった。
八重樫、序盤から打たれた。打たれ続けた。しかし、打たれても打たれても八重樫は反撃する。凄まじい打撃戦を展開した。倒すか倒されるかの。9回、ついに八重樫は倒され、敗れる。TKOで。ローマン・ゴンサレス、これで世界3階級のチャンプとなった。
いい試合であった。
この試合に比べると、その前に組まれたロンドン五輪ミドル級の金メダリスト・村田諒太の試合は、とても物足らないものであった。
村田諒太、世界ランク22位のメキシコの選手に判定で勝ったが、プロでは甘い。村田の”世界”は、まだまだ遠いな。