第57回新象展。

新象作家協会、昭和32年(1957年)、美術文化協会東京地区の会員を中心に創立とのこと。

東京都美術館での今年の新象展。第57回。

こういう企画展示があった。
「作品ができるまで・・・エスキースを拝見!」、というもの。これが見応えがあった。

さまざまなエスキース。

20余名の作家が協力している。

木村二朗のエスキース。
「<私の作画プロセス>〜血の源流を求めて〜」。理論派だ。

そのエスキースに基づいた作品。
木村ニ朗作≪古代史より〜精霊≫。

青山明嗣のエスキース。

その作品≪ハタ「なかよし」≫。

畠山容子のエスキース。

その一部を拡大すると、ホッチキスの針が一杯止められている。

完成までにホッチキス3箱程度は使った、と。

その畠山容子の作品≪まじわる≫。
破いた紙を、ひたすらホッチキスの針で止めている。

このように。
”まじわる”って、ホッチキスの針と針がまじわるのか、ホッチキスの針と紙が交わるのか。いずれにしろ、何とも不可思議な作品だ。

向うの方に、犬飼三千子のエスキースもある。

近寄ると、右側には犬飼のお姉さん・吉田佑子のエスキースも。

吉田佑子のエスキース、写真である。
昨年の新象展への出品作、大きな作品であったが、それを再構築している。その模様の4枚の写真。

吉田佑子の作品。
左は、≪晩秋≫。右は、≪冬景≫。
信州あたりの高原であろうか、あの大きな作品を再構築したんだ。晩秋と冬に。吉田佑子、不思議な人であったが、とてもパワフル。

犬飼三千子のエスキース。

それに基づいた犬飼の作品。
左は、≪往にし方(1)≫、右は、≪往にし方(2)≫。
”ここと思えば、またあちら”、自由奔放、さまざまな画法、技法の作品を発表している犬飼だが、上の作品は、このところの犬飼が追っているテーマ。

この部屋の向うの方に・・・

”A.M.G.M.N.O.W.S.展”の相本みちるの軍手作品が。
タイトルは、≪新象(新しく生まれた象たち≫。
何と言うか、どういうか、この人も不思議な人。やはり、パワフルなお人。
なお、この新象展、今は名古屋の愛知県美術館へ巡回している。17日の日曜日まで。その後、9月には、京都市美術館と大阪市美術館へ巡回する。