キトラ古墳壁画あれこれ。

明日香の地が好きで、何度か訪れた。
囲いの中の小さな円墳・高松塚古墳も見に行った。高松塚古墳自体は、外から見るだけだが、すぐ側に高松塚壁画館がある。高松塚古墳の内部を再現していて、とても興味深いものである。高松塚古墳、7世紀末から8世紀初め、藤原京の時代のもの。
高松塚古墳が発見された10年ほど後、やはり明日香の地でキトラ古墳が発見された。造られた時代も、高松塚古墳とほぼ同じ藤原京の時代。高松塚古墳と同様、内部に四神などの彩色画が描かれている。

キトラ古墳の極彩色の壁画、明日香・飛鳥から東京東博へお出ましになった。
看板の右手の方、小さくて見づらいが、多くの人が並んでいる。日本人、こういうものが大好きだ。だから、入るのも大変。

同展のパンフを複写した。
何とかお読みいただけるのでは。

北壁の玄武。

南壁の朱雀。

西壁の白虎。

東博本館の入口から左の方へ行列ができている。
このキトラ古墳壁画展、実は、私は観ていない。
二度訪れたが、入るのを諦めた。
最初は、ゴールデンウィークの最中。外で60分、館内へ入って30分、計90分待ちであった。1時間半も待つなんて。諦めて帰った。ウィークデーに来よう、と。
2度目は、その後のウィークデーに行った。と、何と、外での待ち時間が120分、館内に入って30分、合計150分、待ち時間の合計2時間半となっていた。会期末が近いということもあるが、これほどの長い時間立って待つなどということは、私にはできない。壁画展を観るのは諦めた。

東博、昨年初め東洋館をリニューアルした折り、ミュージアムシアターの劇場を作った。東博と凸版印刷とのコラボによるデジタル映像である。
それまでも、東博と凸版印刷とのコラボのデジタル映像は、行なわれていた。無料であった。しかし、東洋館に専用劇場ができてからは有料となった。500円を取る。その価値は十分にある。タダなんてことにするより、料金を取った方がいい。

バーチャルリアリティーによるキトラ古墳壁画。
劇場の外のモニターで流れている映像を追っていくと、こういうことである。





ずーっと流れて、このように。
バーチャルリアリティーの映像、とてもよかった。
キトラ古墳の壁画、おそらくその展示を観るよりも理解できたし、堪能したとも言える。

東洋館の劇場を出て歩いていると、表慶館の前にこのような看板が出ている。
中に入ると、飛鳥年表とか、聖徳太子や蘇我入鹿や額田王のフィギュアとか、藤原京の1/1000の復元模型であるとか、”日本初のクーデター「大化の改新」とは?”とか、里中満智子の『持統天皇物語「天上の虹」』の原画であるとか、といったものが展示されている。

進んでいくと、このようなコーナーがある。
”科学の目で壁画を観る”。

例えば、白虎。

高松塚古墳との比較とか、赤外線やテラヘルツ線で見るととか、拡大するととか、ワンクリック。

少し分かりづらいが、左の四角内は高松塚古墳の白虎。
キトラ古墳と高松塚古墳のそれぞれの彩色画を見比べることができて面白い。

”道 いざ、飛鳥へ!”。
<わずか数時間で、1400年という長い時間を経た「歴史の舞台」に!>、というコピーも見える。
東京から新幹線で京都まで140分。京都から飛鳥まで電車で60分。大阪からも電車で60分。関空からはリムジンバスで70分。
飛鳥は近いぞ、飛鳥へ来い、というPRだよ、これは。
明日香村、いや、奈良県レベルの販促活動と思えたな。
でも、とてもいい。日本人なら、やはり飛鳥・明日香の地に行かなくちゃ。