青もみじ巡り(30) 東福寺方丈庭園。

<方丈とは禅宗寺院における僧侶の住居であり、後には相見(応接)の間の役割りが強くなった>、と東福寺方丈のパンフレットにある。

方丈への入口である庫裡。

<広大な方丈には東西南北に四庭が配され、「八相成道」に因んで「八相の庭」と称する。・・・・・。作庭家・重森三玲(1896−1975)によって昭和一四年(1939)に完成されたもので、当寺の創建年代にふさわしい鎌倉時代庭園の質実剛健な風格を・・・・・>、と方丈庭園のパンフにある。
上は、その南庭。
古来の中国蓬莱神仙思想に基づくものを表している、と言う。

東庭。
<雲文様地割に円柱の石で北斗七星を構成し、北斗の庭と呼ばれる>、とパンフ。

西庭。
<さつきの刈り込みと砂地とをくず石で方形に区切り、大きく市松模様に図案化する。・・・・・、「井田市松」と呼ばれる>、そうだ。

北庭。
<ウマスギゴケの緑との対比も色鮮やかな市松模様の敷石は、・・・・・、彫刻家・イサム・ノグチはこの庭を「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評した>、そうである。
大ぶりな西庭の市松模様に比べ、小ぶりな北庭の小市松、たしかにモンドリアン。

名作庭家・重森三玲による「八相の庭」、それはそれで面白いのであるが、私にはその周りに現われる何でもない光景の方が興味を引いた。
こういう何でもないところ。

こういうところ。
趣きがある。

青もみじである。

方丈の中から見る青もみじ。

向うに見えるのは、通天橋である。

ここからは、すぐ指呼の間に、青もみじに埋まる通天橋。