キム・ヨナという存在。

今日未明、フィギュアスケートのエキシビションが行なわれた。男女シングル、ペア、アイスダンスのそれぞれ5位までの選手が出場する模様。主催者推薦で、6位であった浅田真央と高橋大輔も出場という粋なはからいもあった。
しかし、それぞれの選手たちの演技は見なかった。実は、BSでのスキー回転(難しいポール設定で転倒者、旗門不通過者が続出した。日本の2人も途中棄権となった。)などを見ていたら、フィギュアのエキシビションのことなど、ころっと忘れていた。
アッと気がつきチャンネルを変えた時には、このような状況であった。

各人の演技はすべて終っている。何か選手たちが入ってくる。滑ったり集まったり。

各種目のゴールドメダリストたち。
右から男子シングルの羽生結弦、女子シングルのアデリナ・ソトニコワ、男女ペアのロシアの二人、アイスダンスのアメリカの二人。

町田樹とロシアの15歳・リプニツカヤ。そのうしろは高橋大輔。

皆が集まってくる。
この暫らくあと、選手の皆さん手をあげ、一方を見つめる。と、その先にキム・ヨナが現われる。実は、キム・ヨナの姿が見当たらないな、と思っていた。
一瞬、選手一同からのキム・ヨナへのリスペクトか、と思った。そんなことがあるのか、と。
もちろん、そうじゃなかった。冬季オリンピック、次の開催地は韓国の平昌(ピョンチャン)、その意味合いでのキム・ヨナであった。

全員揃っての記念撮影。
右から5人目は浅田真央、その3人左に羽生結弦、左端にキム・ヨナ、左から3人目は町田樹、4人目に高橋大輔。
この前だったか後だったか、パトリック・チャンが挨拶をした。恐らく、本来ならば男子シングルの金メダリストである羽生結弦が担うべき役割りであろう、と思われる。言葉の問題であろう。
羽生結弦、オリンピックの金メダリストとしてもっと強くなって、と話している。
そうだ。それと共に世界に打って出た若者、世界語のほうもマスターしてもらいたい。

今日、昨夜には見られなかったエキシビション、各人の演技を録画で見た。
ロシアの15歳・リプニツカヤ、メダルは取れなかったがやはり凄い。

ともかく、身体が柔らかい。

どのような状態でも両足が一直線になる。
リプニツカヤにしかできないキャンドル・スピン。

キム・ヨナである。
どうして女子シングルの金は、ロシアのソトニコワなのか、ロシアに金メダルを盗まれた、という声があがっているそうだ。フィギュアの判定はおかしい、と。キム・ヨナの母国・韓国ばかりじゃなく、欧米の各国でも。

そうであろうか。
キム・ヨナのSPもフリーも素晴らしいものであった。ミスがなかった。しかし、ジャンプにしろスピンにしろステップにしろ、驚くような演技ではなかった。
完璧ではある。しかし、驚きがない。そういう演技であった。ソトニコワの方に勢いがあった。ジャンプに失敗し転倒したリプニツカヤとは、まったく違う。競技に対する意識が違った。


ソトニコワにしろリプニツカヤにしろ、フィギュアスケートのアスリートなんだ。しかし、キム・ヨナは違う。単なるフィギュアスケートのアスリートではない。
キム・ヨナ、「キム・ヨナ」という存在なんだ。

キム・ヨナ、舞う。
キム・ヨナの芸だ。
キム・ヨナという存在、別次元のものであった。

エキシビションで滑り終えたキム・ヨナの顔、ほころびた。
キム・ヨナのこのような顔、いつ見たかな。