初雪だ。
昼をすぎ雪が降ってきた。初雪だ。
しかし、細かい雪、これじゃ積もることはない。ところが4時すぎ、少し大粒の雪に変わってきた。
よし、いいぞ。これじゃ積もるかもしれない。窓から外を見ると、薄っすらと積もっている。
5時前、外へ出た。
私が住む集合住宅の敷地内、薄っすらと雪が積もる。
枝を切られて冬を過ごす木の周りにも、薄っすらと積もる。
ブラック・アンド・ホワイトだ。
私が住むアパートの敷地のはずれ。雪は降る。
敷地内に竹林がある。何日か前、作業員がチェーンソーで枯れた竹を切っていた。通りかかった私、「どうしてか」と訊いた。「雪が降った時に倒れることを防ぐためです」との返事だった。
今日の雪は、それほどのものではない。枯れ竹とはいえ、これしきの雪では倒れない。
初雪や水仙の葉のたはむまで 芭蕉
今日の初雪、この程度のものであった。
すぐ近くの小さな公園へ行った。
初雪は盆にもるべき詠哉 其角
小さな公園の端っこに小さなベンチがある。
さしたるものではない今日の雪、その雪の中にある小さなベンチ、趣きのある風情であった。