吉岡徳仁ークリスタライズ。

「クリスタライズ」、結晶させる、結晶化、また結晶体とも。

”TOKUJIN YOSHIOKA Crystallize”。
そうなんだ。吉岡徳仁、アルファベットが似合う作家なんだ。
その作品、ニューヨークのMoMA、パリのオルセーとポンピドゥー・センター、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館といった大どころの美術館へ収蔵されている。

館内のポスターへ、日の光が、水玉模様になって落ちている。

吉岡徳仁、自然から生み出されるエネルギーを結晶化し、作品を生み出す。
≪Water Block≫は、<透明でありながら光の屈折によって、強いオーラを放つガラスのベンチです>、と吉岡は語る。
≪Swan Lake≫は、チャイコフスキーの「白鳥の湖」の曲を聴かせて生み出された「結晶の絵画」であるようだ。さまざまなインスタレーションで構成されている。
それはそうと、吉岡徳仁、単なるアーティストではない。デザイナーである。
グラフィック・デザイン、パッケージ・デザイン、プロダクト・デザイン、ショップ・デザイン、スペース・デザイン、・・・・・、そのカヴァーする領域は広い。
そのクライアントも大どころ。

1967年生まれの吉岡徳仁、桑沢デザイン研究所を出た後、三宅一生の下で修業、20代半ばでフリーランスのデザイナーとなっている。
その後、33歳で自らのデザイン事務所を設立する。
ここのところが、大切なんだ。
昨日触れたスプツニ子!もそうであるが、何ごとかを為そう、世に打って出ようという者は、男女を問わず、「寄らば大樹の陰」ではダメなんだ。
少なくとも、30前後には、自らの旗を立てなければならないんだ。その成否は別にして。
思い切りが求められる。
何の才もなく年を経た私、今、そう思う。