平塚ショウ X 前田精史展。

昨夕、神楽坂へ。

地下鉄東西線の神楽坂の階段を上がると、えすぱすミラボォは徒歩1分。
平塚ショウと前田精史との二人展。
昨年秋、聖蹟桜ヶ丘での「遊・桜ヶ丘 現在進行形 野外展」以来。

少し遅れて着くと、オープニングのパーティーはたけなわ。
二人の作家の仲間であろう人たち、元若者という人ばかり。スーツを着ている人など一人もいない。おそらく皆さん、絵描き乃至は彫刻家らしき人ばかり。

向うには、昨春見知った平塚ショウの作品がある。

光の写りこみがあるが、平塚ショウの≪The sea・海面≫シリーズよりNo.20140106。
56.6X76.0cm。紙に鉛筆。
海面だ。

≪The ocean・海面 Installation No.2012 12・2014 12≫。
150cmx10m。紙に鉛筆。
昨春、横浜石川町の画廊での平塚ショウの個展の折りに観た作品である。
昨日の平塚ショウ、こう話していた。
「去年の横浜の時から4メートルほど描き加えた」、と。
因みに、上の56.6X76.0cmの作品は、15万円となっていたが、この10メートルに及ぶ作品には、「要相談」となっていた。
いったいどの程度の値を考えているのか、興味はあった。しかし、そういうはしたないことは、訊かなかった。

その≪The ocean・海面 Installation No.2012 12・2014 12≫、仔細に観ると、こうである。
気が遠くなるような描線である。

より近づくと、こう。
作家、創作という作業を行なう。その作業、修業に近い。

≪予感・凪≫。
「The sea・海面」シリーズより、No.2014 0108。
43X40.5X13cm。木にジェッソ、鉛筆。

これが、何とも言えずいい。
≪予感≫。
「The sea・海面」シリーズより、No.2013 11−0
木にプロカラー、ジェッソ。
プロカラーというのは、シルクスクリーンで使うインクだそうだ。その青を使っている。

プロカラーの青を塗る。その上にジェッソを塗る。その後、上に塗ったジェッソを削る。と、下に塗ったプロカラーの青が浮かび出てくる。平塚ショウ、そう話す。
「根来塗りと同じですね」、と話す。朱漆塗りの木器・根来塗、年を経て表面の朱の漆がすり減ると、下塗りの黒漆が現われる。その妙、何とも言えぬ世界を生み出す。

朱と黒、白と青という違いはある。
しかし、こうして見ると、その与える美、その対比の様は同じ。
美しい。

前田精史の作品。
前田精史の作品も”水”をテーマとしている。
≪水景 2014≫とか、≪ー水域よりー Composition≫とか、と。

≪ー水域よりー CompositionⅡ≫。
この幾何学模様、モンドリアンを思いだす。

≪水景 2014−Ⅰ≫。
ベン・ニコルソンのコンポジションのことも思いだす。その進化形であることには違いなかろうが。