なんば、らなくちゃ。

約束の時間に、叔父、叔母を訪ねる。老人ホームの入口ロビーで、車いすに乗り二人並んで待っていてくれた。
幸いにも、二人とも認知症にはなっていない。叔母は耳が遠くなったが、今年数えで100歳の叔父は、よくしゃべる。私の実の親父は、50年前に死んだ。この叔父、私の3人の親父の一人。
ご本人は、「酒も飲めなくなった。あまり食べられなくなった」、と話す。が、その娘である従姉妹が言うことには、「好物はトロよ」、とのこと。これじゃ、数えで100歳どころか、満100歳も軽いもの。
夕刻、老人ホームを辞し難波へ戻り、ホテルへ入る。
部屋で暫らく休み、飯を食いに出る。何を食おうか、と歩いていると、何と、てっちりが1580円という店がある。
大阪はフグ料理が安い。そうは言っても、ひと通りのコースで万の単位、という店もある。しかし、安くフグを食べさせる店も多い。大衆店である「づぼらや」のてっちりは、2千円台から。それどころか、てっちりが2千円を切る店も多くある。1980円という店。ところが何と、てっちり1580円という店がある。びっくりである。
入った。
てっさも1000円ちょっと。ゆびきが6〜700円だったか。てっちりの後、雑炊をと思っていた。が、胃がほとんどない私、酒を少し飲むと腹がくちくなる。雑炊はやめ、店を出た。

すぐの法善寺の水かけ不動へ。
お賽銭をあげ、柄杓でお不動さまへ水をかけ、祈る。

赤い灯、青い灯の道頓堀。

戎橋の上から心斎橋筋を見る。

心斎橋筋から、すぐに御堂筋へ出る。

少し歩くと、閉店時間の近い大丸心斎橋店。
アールデコ調の大丸心斎橋店、日本の近代建築を代表する建築物の一つ。

御堂筋。

カルティエのウインドウには、金色のネコがニ匹。

細かい雨が降っている御堂筋。
公孫樹の並木、黄葉までには少し間がある。

マクラーレン大阪のショールームがある。
手前のF1カーは、アイルトン・セナが乗ったマクラーレンのF1・MP4/4。
後ろの黄色いスーパーカーは、マクラーレンMP4−120。価格は、約1億円。

本町あたり、船場である。
”泣いて船場のいとはんが、・・・・・”の船場である。
船場、商人の街・大阪の中心地である。
船場センタービル、1000mの散歩道って何なんだ。

船場センタービル、1号館から10号館までのビル。それぞれのビル、約100メートルの長さがある。で、合計1000メートルとなる。
本町から淀屋橋への御堂筋も趣きがあるのであるが、細かい雨も降ってきたので、地下鉄で梅田・大阪駅へ行く。

地下鉄を降り、外へ出ると7〜8人のパーカッションのグループが。

大阪駅、様変わりしている。やけにきれいになった。
一昨年にできた大阪ステーション・シティー。

時空の広場。
大阪駅の南北を結んでいるようだ。駅のホームの上に広がっている。多くの風車や何千もの草花がある。大阪駅、一気に飛び出した。

この春には、グランフロント大阪もできた。
大阪駅の周辺、やけに洒落た街に変わった。

大阪駅・梅田から地下鉄で難波へ帰る。駅の壁にこのような看板がある。
”なんば、らなくちゃ。プロジェクト”。
何ごとによらず洒落のめす大阪であるが、”なんば、らなくちゃ”、とは、ゆるいコピーである。
上の方には、こういうことが書いてある。
<キタがおもろい? アベノがすごい? それもいいけど、「なんば」があるぞ。大阪の真ん中でいつの時代も燃えている「なんば」を盛り上げるため・・・・・>。
キタは、大阪ステーション・シティーやグランフロント大阪の大阪駅近辺のこと。
アベノは、日本唯一のスーパー・トール、300メートルを越えるビルとなったあべのハルカスのことである。
あべのハルカス、日本一のビルとなった。近鉄のターミナル駅であり、近鉄百貨店であり、オフィスとなり、ホテルとなり、美術館も生まれ、展望台もというビルとなる。
そうは言っても、難波・なんば、大阪のヘソだものな。
なんばらなくちゃ、いや、頑張らなくちゃ、やってくれ。