ゆとり、ゆったり風景画。

昨日の石田宏は、学生時代の同じサークル仲間。美術研究会、通称美研(ビケン)。但し、同じビケンであってもそのOB、前後10年ぐらいで集まるグループが異なる。大きな学校なので、何やかや。
今週初めから、私たちの上の世代のグループ展が催されている。京橋のギャラリーくぼたで。先輩方のグループ、平均年齢は80近い。お元気。

月曜日、オープニングの日に行った。
だんだん少なくなっていく、と先輩のお一人は話されていたが、まだ30人近くの方が出展している。凄い。

山本宣史の膠彩画≪礼拝堂≫、P6。
山本宣史、イタリア好き。おそらく、トスカーナ地方の何処かの地の礼拝堂であろう。
実は、山本宣史、私たちの仲間。私たちと同年代。しかし、山本宣史、先輩方のグループ展にも出展している。ずっと以前から。つき合いのいい男なんだ、山本は。

山本宣史の≪ペルージャの家並≫。P25。水墨画+膠彩画、となっている。
艶やかな色彩でありながら、深みを感じる。水墨で描いた上に、膠彩画、つまり日本画の顔料で描いたそうである。なるほど。
山本宣史、ペルージャへは5〜6年前に行ったそうだ。その頃でも、ペルージャで日本人といえば、ナカタ、ナカタであった、という。ナカタ、中田英寿である。中田、世界選抜にも選ばれたものな。
それはともかく山本宣史、ペルージャ、美しい町であった、という。そうであろう。アッシジ、シエナ、サン・ジミニャーノ、イタリアのあの辺りの丘の上の小さな町は、みな、すこぶる美しい。

大林恭子作≪古都≫。アクリル、F15。
先輩方のグループの皆さま、風景画を描いておられる方が多い。あちこちの風景を描いている。
ゆとり、ゆったり風景画、と言ってもいい。
山本から紹介され大林先輩と話したが、この作品の”古都”、どこであったか、聞き洩らした。おそらく、イタリアかスペインか、南ヨーロッパの鄙びた古都であろう。

猪狩達夫の水墨画≪蔵屋敷と巴波川と鯉のぼり≫。
栃木の風景である。蔵の町・栃木、町中には、巴波川(うずまがわ)が流れる。関東の倉敷、とも呼ばれるそうだ。江戸から昭和初期までの商都も、時代から取り残された。今、ノスタルジックな蔵と川の町となっている。静かな趣きがある。
それはそれとして、山本宣史、「この作者は、私の弟子です」、と言う。永年、水墨を描いている山本宣史、それを伝授している、という。
しかし、先輩方のグループで一番若輩の山本宣史、遥か年長の方を”弟子”扱いしてもいいのかな。何かあっても知らないよ。
なお、この展覧会、「早大美研OB展(アマトゥル)」、この日曜日まで京橋の「ギャラリーくぼた」で開かれている。あと数日しかないが、もしお時間がおありになれば。