好きこそものの上手なれ。

先月は浅草へ出張り、墨東の皆さんとのグループ展を行っていた山本宣史、今月はホーム・日本表現派の皆さんとのグループ展を開いている。
大崎ニューシティ、O美術館での「日本表現派 東京 2013」展、昨日、古い仲間6人と語らい、観に行った。当然、展覧会にかこつけての飲み会でもある。
山本宣史の出品作は2点。1点目はこれ。

水墨画の一部が彩色されている。オッ、山本宣史の新しい試みか。
妙齢の娘さんがキスをしている図。タイトルは、≪ゴンドラに乗って 初めての雪国≫とある。
山本宣史、こう説明した。
「これは、ホラ、あの”国境の長いトンネルを抜けると・・・・・”、という越後湯沢なんだ。30年ぶりぐらいにスキーへ行ったんだ。3歳の孫娘を連れて」、と。「ゴンドラのガラスに孫娘の顔が映ってるんだ」、とも。
妙齢の女性だと思っていたが、3歳の孫娘、3歳の女の子だったんだ。男は単純だが、女は化けるよね。

タイトルは、≪鸊鷉(へきてい、カイツブリ)≫。
絹本着色の掛け軸。山本宣史、器用な男であるが、日本画の王道の方にもヒラリと足を踏み入れたようである。
「好きこそものの上手なれ」。いいんじゃないの。

山本の作品の側に、こういうものがあった。ガラスで覆われたケースの中に、金色に輝くものがある。他のものもさまざま映り込んでいるが。
「この素材は何なんだ」、と山本に聞いた。「この人は彫金をやっている人なんで、おそらく銅だ」、という応え。

タイトルは、こういうもの。
唐の器の写しなんだ。

実は、真向かいのガラスで覆われたケースにこれが写っているんだ。これが面白い。
”写し”なんだ。”写し”の”写し”なんだ。
それはそれで、面白いのだが・・・・・、その後、
「カミさんから、お前に、と言って預かってきた」、と言って、Hから本を1部渡された。
H、今まで何度か記してきた志の出版社・どうぶつ社社長の久木。今、終息へ向かっているが、小規模ながら立派な仕事を成した。どうぶつ社の代表者としては、そう。大したヤツである。
でも、個人としては、時折りどうしようもない酔っぱらい。
受け取った書、俳句結社・田俳句会の創刊十周年記念号。Hのカミさん、結社の十周年記念号のあちこちに出てくる。
”好きこそものの上手なれ”、確かにそうだ。いい句だ。上手い。
山本宣史しかり、Hのカミさんしかり。すいかさん、大きさの中に、繊細な観察眼を潜ませた秀句を多く詠んでいる。
Hのカミさん・久木すいかさんの句を1首。
     どっと吐く噴煙高し山桜     すいか
いいねー。”好きこそものの上手なれ”、どのようなお方であれそうである。
そうだよな。凄い。