風が吹けば桶屋が儲かる。
MOT(東京都現代美術館)、2月初めまでの二枚看板の企画展あと一本はこれである。
ンッ、「風が吹けば桶屋が儲かる」。コンテンポラリー・アートの世界にはチョッとどうかな、馴染むのかな、と思われるタイトル。
イヤ、”風が吹けば桶屋が云々”のことはガッテン承知の助ですよ。それでも、ねー。
そう思っていた。しかし、これがすこぶる面白い。
英文のサブタイトルがある。「状況の制作、風景の編集」、という意。
ついでながら、「風が吹けば桶屋が儲かる」は英語で何と言うか。”A Wind Blows,Bucket Makers Prosper”、と言うそうだ。
読むことができる、と思う。
MOT、毎年こういうことをしているんだ。
今回は7組のアーティストが取りあげられた。
展示会場に入る時、「田中功起さんの作品は美術館にはありません。田中さんは美術館の外で活動しています」と知らされたりする。そういうこともありなんだ。
地下の駐車場にも作品がありますよ、というものもあった。田村友一郎である。いったん会場を抜け出て駐車場へ向かう。どこやら昭和の匂いがするインスタレーション。
下道基行が面白かった。
下道基行、カメラマンだそうだ。これは、台湾へ旅行した時の日記。読めるかな。
別にどうってことのないことが記されている。しかし、とても面白い。
サハリンへ行った時のもの。
こういうもの、副産物だと思うんだ。下道基行は写真家なんだから。でも、とても惹かれる。不思議だな。