雪だ、初雪。

雪が好きだ。年をとってからは雨も好きになったが、雪はずっと前から好きである。
雪に降り籠められない所にいるから、そんなことが言えるのだ、ということはよく解っている。しかし、そうは言っても、白い世界美しい。白銀と言わずとも、普通の町中が雪化粧しただけでも。
だから、今日は嬉しい。雪が降っている。初雪だ。夕刻近く、長靴を履いて外へ出た。

エレベーターを降り、外へ出た。
オツ、今日の雪、初雪にすれば大雪だ。目の前、こういう状況。こりゃいいぞ。

アパートの敷地内の木々の上にも雪が降り積もる。

竹やぶの竹は、雪の重みで撓んでいる。

敷地のはずれのところも、風情のある光景に変わっている。
なに、普段はベンチがあり、木が植わっているだけのところなんだが。

外の道に出る。
車もほとんど走っていない。歩いている人も少ない。かろうじて、前の方に二人連れ。

暫らく歩いていると、向こうの方、緩やかな坂の向こうに雪かきをしている人がいた。

この人だ。

別の方には、大きな雪かき用のシャベルを持って歩いている人がいた。

実は、バスに乗って少し先の駅まで行き、夕方から開いている居酒屋で一杯やろうかな、と思っていた。
だが、バスが来ない。一向に来ない。来る気配がない。
小さなデジカメ、素手でシャッターを押していた。指先が凍えて痛くなってくる。居酒屋どころじゃない。帰ることにする。

アパートに戻ってくると、敷地内の道路には灯りが点いていた。
     初雪や一二三四五六人     一茶
「はつゆきやいちにさんしごろくにん」、「・・・・・いちにさんしごろくひと」、「・・・・・ひぃふぅみぃよぉいつむたり」、いずれもお好きに。
今日の初雪、5、6人どころか、ひと時に3、4人も見なかった。一茶の信州の初雪とは異なる。千葉の初雪、このようなもの。でも、よかった。
戻ってくると、我が家の犬、ホットカーペットの上で居眠りをしていた。ウチの犬、まるでネコ。