クラス会。

近所に小ぶりな大学がある。リタイアした後、そこのエクステンション・スクールというところに行っている。週に一回、もう6年ほどになる。来ている人は、女性が多い。もちろん、ほとんどの人は年寄り。
昨年春から夏のクラスに、私を含め男が3人いた。10人足らずの生徒の内、男が3人もいるということは珍しい。しかも、私以外の2人は、仕事をやめたばかりの60歳。
60でリタイアするなんて珍しいな、と思い聞くと、わけがある。共に連合いをなくした、という。何時かその一人は、「女房が生きてれば、まだ仕事を続けていたでしょう」、と話していた。その心情、よく解かる。
いずれにしろ、男3人の同窓生である。
今日、男3人の同窓会というかクラス会をした。ひと駅先の居酒屋で。
昨年夏から、同窓会をしよう、と言いながら延び延びになっていた。実は、3人の中の一人、博さんが忙しいんだ。学校の教師をしていた博さん、今、旅づいている。じっとしている時が、なかなかない。で、今日、その合間を縫ってのクラス会。
博さん(私たちのクラス、お互いを名前で呼びあう。幼稚園の子供と同じである)、8月下旬からピースボートに乗り、約3か月の間、地球一周の旅に出た。
横浜を出た後、ベトナムのダナン、シンガポール、インドのコーチン、サファガ(エジプト)、スエズ運河を通り、地中海へ。トルコ、ギリシャ、フランス、スペイン、モロッコへ寄り、カナリア諸島、ジャマイカやコロンビアを経て、パナマ運河を通って・・・・・、と横浜へ帰ってくる長旅。
ピースボート、今、さまざまな毀誉褒貶があるようだが、元はと言えば、辻元清美はじめ早稲田の何人かの学生が作ったNGO。安く地球をぐるっと一周する船旅、そう目くじらを立てることもあるまい。
ピースボートはNGOだが、船を運営しているところは私企業。営利を追求する会社である。営利追求の手段、いろいろあるようだ。
ピースボートの地球一周、約3か月で安い相部屋だと100万円程度らしい。博さんは約170万円の個室にしたそうだ。ところが、さまざまなオプショナルツアーがある。港から港、インド洋とか大西洋とかを渡る時などに、多くのオプショナルツアーが設定されている、という。
博さん、あちこちのオプショナルツア−に申し込んだそうだ。と、その合計代金が300万円ぐらいになったらしい。マチュピチュへ行くツアーやグランドキャニオンへ行くツアーをキャンセルした、という。それだけで、約80万安くなった、と博さんは言う。ダナンで降り、カンボジアへの3泊4日のツアーや、エジプトでのルクソールへのツアーには参加したそうだが。
まあ、なんだかんだはあっても、約3か月の船旅、楽しかった模様。
11月末に横浜へ帰って、すぐ北海道へ行ったそうだ。話を聞くと、わけありだ。ピースボートで、少し年下の女性と知り合ったらしい。北海道に住む女性。いいんじゃないか。
その後すぐ、韓国への船に乗ったそうだ。博多を出て、釜山へ行き、その後、那覇へ寄り、敦賀へ行き、博多へ戻る、という10日間の旅。
一体どういう旅なのか。そう思うよ。
原発を考える旅なんだそうだ。釜山の近郊には、どうも問題を抱えた原発があるらしい。次の寄港地は、那覇。沖縄電力は、日本で唯一原発を持たない電力会社だそうだ。「沖縄には米軍基地が多いからな」って声も多いそうだ。敦賀は、もちろん原発の敦賀。
釜山、那覇、敦賀、原発を考える10日間の船旅。
そんなものがあること、初めて知った。
博さん、来週は沖縄へ行くそうだ。
宮古島へ暫らくいる、と言っていた。北海道の人と一緒かどうかは知らない。一緒であればいいんじゃないかな。そうでなくても、それはそれで、ってことで。