50枚の手書きPOP。

池袋ジュンク堂で今月11日からやっている「どうぶつ社の36年」、今日行った。
どうぶつ社の「フェアウェル・フェア」。50年を越える付き合いの久木の会社の「さよならフェア」。学生時代の仲間8人で行った。
池袋ジュンク堂の7階、小さなスペースである。しかし、とても濃密な空間だった。約50枚の手書きPOPがある。

「どうぶつ社の36年」、小出版社であるどうぶつ社社長・久木亮一、約200点の書を世に送り出した。
碌でもないものは、ひとつもない。すべて良書ばかり。だから、さほど売れない。それを36年続けた。えらいヤツだ。次回の園遊会には招待してやってくれ、と思う。夫婦そろって。
私の雑ブログ、宮内庁の人が見てくれているといいのだが。

約200点に及ぶどうぶつ社の本には、すべて田中豊美描くカモシカのマークがある。

どうぶつ社のさよならフェアのコーナー。手書きPOPが立っている。

フリーランスの編集者の三原さんは、こう言っている。自分と久木を、ナメクジとカタツムリに例えて。久木の出版は、リスクも取った志の出版である、と。
そうなんだ、久木亮一は、リスクはどうあれ、志の出版を貫いた。このこと、生半なことでできるものではない。

立教大学の野中さんは、こう言う。

編集者の光明さんは、『野生のパンダ』について、こう言う。
自分が出したかったって。

どういうものかよくは知らないが、あの岩合光昭さんがこう言うのだから、それ相当の書であろう。

ライターであり、イラストレーターでもある盛口満、手書きPOPでこう言う。

その盛口満、数多くの書を上梓しているが、どうぶつ社からもここにある8点もの書を上梓している。
盛口満自身の手になるイラストPOP。
なお、『ゲッチョ昆虫記』の”ゲッチョ”とは、盛口さんのニックネームらしい。

日本野の次の字はどういう字なのか。私には判らない。が、この人はこういうことを言っている。

最首悟の手書きPOP。
<いのちはいのち いのちははかられない 久木さんの ・・・・・ ・・・・・>、さすがその言葉、深い。

「カイミジンコに聞いたこと」というのは、花井哲郎の書のこと。
<びっくりした。世の中は、こんなふうに眺めることもできるのだ、ということに>、と書き出される川上弘美の書評である。
久木が、<朝から注文の電話が鳴りっ放し。・・・・・、さすがです>、と吹き出しに書いているもの。
それにしても、クレヨンで描かれている川上弘美のPOP、どこかプワーとしている彼女自身の文章を思わせる。どこかプワーとしている。それはいい。右の方に、黄色いクレヨンで描いた何かがある。
実は、私は、ずっーと考えていた。
いったいこれは何なのか、と。で、思い至ったことはこういうこと。
これは、ひょっとすると、ご自身のお顔を描いたものではないか、と。
約50枚の手書きPOP、すべて撮ったわけではないが、幾らかは撮った。
眠くなった。この続きは明日とする。