農。

先週末、都美術館へ行く途中で見かけた「第29回全国都市緑化フェアTOKYO」、このようなものであった。「東北『農』の庭」となっている。
都美術館の方へ歩いていると、こういうものが見えた。

向こうの方に何やら赤っぽいものが見える。その前で写真を撮っている人もいる。

このお母さんも写真を撮っている。
左の子は男の子。右の子は女の子。双子のように見えた。二人共、ジッとしていない。手足を四六時中動かしている。とてもチャーミングな男の子と女の子であった。
この赤っぽいもの、コキア。紅葉して赤っぽくなっている。
紅葉したコキアに目玉のようなものが付いている。これは、目玉だ。
もちろん、植物に目玉はない。人間が付けたもの。でも、紅葉したコキアの姿に目玉、よく似合う。

垂直の急斜面の花壇。
<壁面緑化。ツルパワーパネル>、となっている。

こちらは緩斜面の花壇。
<成長する野菜の花壇。リーフレタス、人参、ほうれん草、こかぶを植えてます>、と書いてある。

「農の庭」と書いてある。
<東北で生産されている野菜を使い、修道院の庭をイメージしてデザインしました。中央にパプリカを周囲に伝統的作物である食用菊、南部ソバ、ダイコンを配しました>、と説明書きにある。
どうして修道院が東北か、という気がしないではないが、植えられている作物は東北っぽい。

田んぼもある。
「第29回全国都市緑化フェアTOKYO」、略称は「TOKYO GREEN 2012」、9月29日から10月28日までの1か月間開かれている。上野恩賜公園ばかりじゃなく、日比谷公園、井の頭公園、浜離宮、その他東京の公園で。
まったく知らなかったが、主催者は、この1か月間の総入場者を500万人と読んでいるそうだ。たまたまその一人となった私、驚いた。それほどのものなんて、まったく知らなかった。
それはそれとして、この田んぼの稲刈り、最終日の今月28日に行われるのであろう。

横には産直市もある。
東北復興産直市である。ここでは、あけびを売っている。ごぼう菜、南部トマト、しいたけなんかの売店もある。

これもいた。
「TOKYO GREEN 2012」のシンボルモニュメント・「立つ人」。今月初め、「東博140年」を記した折り、こんなものがあった、と書いたものだ。芸大の学生たちが作ったこれ、東北の稲藁を使っている。
上野、東北からの玄関口。今でも変わらない。
<東北の一日も早い復興を祈り、東北の稲や野菜、果樹で構成した空間を創りました。東北は食料の供給基地として、大都市・東京の食を支えています。その東北の玄関口である上野だからこそ・・・・・>、という文も何処かにあった。
日比谷や井の頭、浜離宮その他とは異なる上野の顔がある。

都美術館での日本表現派展を観た後、駅の方へ歩いていると、こんな看板がある。
「TOKYO GREEN 2012」の、上野エリアでの催しについてのものである。
<「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の「五行」に、太陽と月を加えた「七曜」をデザインモチーフとした庭園群で構成されている>、となっている。「七曜の庭」なんだ。
どうも私は、その「七曜の庭」で囲まれた「東北の『農』の庭(共助のガーデン)」のみを見たようだ。
農であれ、漁であれ、東北がらみのことに行きあうと、心引き締まる。
だが、しかし、ヘンかもしれないが、嬉しくもなる。