シーテック 2012(続き)。

3日前、続きは明日以降、と記したが、嬉しい突発事があった。日本中が喜んだ。
京大教授・山中伸弥、今日もテレビ画面の中で見かけた。NHK、国谷裕子の問いかけに答える山中伸弥、研究者の身分保障に思いを砕いていることが感じられた。
京大iPS細胞研究センターには、200人の研究者がいるそうだ。その内、1割の人だけがいわば正規雇用の研究者で、あとの9割の人は有期の研究者だそうだ。何年か先には、働き場所、つまり、研究の場がなくなる人たちだ、という。山中伸弥、そのような研究者の仕事、つまり、研究の場を与えてやりたい、と語るんだ。
国は、今日、iPS細胞の研究に関し、今後10年間で100億だったか200億だったか、支援をするとしたようだ。山中伸弥、これは、今回のノーベル賞の話がある前から、検討していただいていることで、と話していた。国も考えてくれていたのです、と。
山中伸弥、普段は笑いを取ることも言う”東大阪のおっちゃん”でもあるそうだが、全国民を相手としているであろうテレビの場では、なかなか気配りの人にもなる。
国への気配り、これもなかなかなものである。
こんなことを書いていると、今日もまた、シーテックには戻れなくなる。ノーベル賞がらみは、一旦打ち切ろう。

今年のシーテック、あと少し。
日本の大手メーカー、もちろん出展している。

例えば、パナソニック。
これは、スーパーハイビジョン用145型8Kプラズマディスプレイ。<4320本の走査線と3300万画素により、超高精細映像を実現しました>、と書かれている。
デカいディスプレイだし、確かにキレイではある。しかし、ああ、そうか、ということも感じる。

ソニーのブースである。
”SONY make.believe”か。行列ができている。
<ヘッドマウントディスプレイ 圧倒的な映像美と深い没入感>、というコピーがある。私は、並んでまでは見なかった。しかし、おそらく、パナソニックの”145型8K・・・”と同じようなものであろう。

今現在、厳しさの最中にあるシャープのブースもある。
シースルー太陽電池なんてものも出しているが、心なしか暗い。アレッ、節電してるのかな、と思った。

シャープはIGZOだ。
超大型、高精細、低消費電力の次世代有機EL。しかし、これもソニー同様、パナソニックの”145型8K・・・”と同じようなものじゃないのかな。
少し考えてみよう。
日本を代表する企業、日本国内で同じようなものを作り、お互いに小さな競争をしていてはダメなんじゃないか、ということを。それでは、独自性は薄れる、失われるのじゃないか、ということを。
さらに、どこか元気がない。日本の大手のメーカーは。
そんなことを考えていると、なんと、シャープのブースの前に、このようなブースがあった。

HUAWEIのブースである。
何と、ミスユニバースのファイナリストが出演する、と書いてある。ジジイと言えど、男たるもの、ミスユニバースのファイナリストの文字を見たからには、通り過ぎるわけにはいかない。

パリコレならぬ、HUAWEIのコレクションが始まった。
彼女たちが、ミスユニバースのファイナリストなんだろう。確かに、そのスタイル、抜群であった。


次々に出てくるミスユニバースのファイナリスト、この二人を含め7〜8人出てきたであろうか。キャットウォーク、ランウェイを行き来する。
さすが、スラリとした美人ばかり。目の保養になる。

ここでは、コンパクトカメラではなく、大型のカメラを構えたヤツが多くいる。
お前ら、シーテックの先端技術を撮りに来ているのか、それとも、カッコいい女の子を撮りに来ているのか、というヤツが。まあ、そういうヤツがいてもいい。シーテック、そのようなものだろう。

それにしても、HUAWEI、派手なことをやってくれる。
HUAWEI、カタカナで記せば「ファーウェイ」。漢字で記せば「華為技術」である。
今年のシーテック、尖閣問題があり、中国からの出展、22社がキャンセルしてきた、という。その中で、HUAWEI、ファーウェイはド派手なブースを持ってきた。
確かに、勢いがある。元気なんだ。
HUAWEI・ファーウェイ・華為技術は、1987年に創業された。まだ、30年も経っていない。しかし、今、従業員は、世界のあちこちに14万人以上。世界人口の3人に1人がHUAWEIが関わる製品に接している、という。
何より驚くのは、そのR&D比率である。
R&D、研究開発費である。売上額に対するR&D比率、HUAWEI・華為技術の対売上高R&D比率、10%なんだ。凄いよ、これは。
2年前、2010年のデータであるが、日本の大手電気メーカーの対売上高R&D比率は、パナソニックが6%強、ソニーとシャープが6%、日立が4%強、という数値がある。10%をR&Dに投資しているHUAWEIには、とても適わない。置いていかれている。残念なことではあるが。
しかし、である。
こういうこともある。基本の基本、ということが。
派手ではないが、また、何でもないが、さらに、さしたることでもないが、大事なこと、と言うものがあるのだ。

これは、アイレックスという会社のブースである。
この会社、”こんなのできる?”と問いかける。プレート端子やカスタムヘッダーなんていうものを造っている。埼玉県の狭山市の企業である。東京や大阪でないところがいい。

<変な部品を作っている会社です。㈱マックエイト>、と謳っている。
ここで貰ったチラシには、”チップ型LEDテストソケット”と記されている。後で気がついたが、チラシの端にビニール袋がホッチキスで止めてあり、そこに小さなモノが入っている。これが”チップ型LEDテスト・・・”というものであるのであろう。
なにやら、アナログの世界、という気もするが、これも大切な世界。
このメーカー・マックエイト、横浜の鶴見区にある企業。


この会社、アルミ固体電解コンデンサとか、薄膜高分子積層コンデンサといったものを作っている企業である。
私にはよく解らぬが、このルビコンという会社、そのような会社である。会社の所在地は、長野県伊那市。
日本という国、案外、このような地方の名もない企業が支えているのじゃないか。
そういうことを考えた。