パリ+リスボン街歩き (67) 市電(続き×2)。

市電28番線、マルティン・モニスからアルファマ、バイシャ地区を通りバイロ・アルト地区の西側のエストレーラまで走っている。実は、3度乗り換えた。
まず、中心部であるバイシャ地区のコメルシオ広場のあたりから、東のマルティン・モニス行きに乗った。コトコト、ゴトゴト、2〜30分もかからずに着いた。終点だから降りた。
次に、そこから西の方の終点であるエストレーラまで乗った。初めに乗った所を通り越して。40分、いや、もう少しだったろうか、端から端まで。終点だから、また降りた。
そして、また乗った。初めに乗ったコメルシオ広場のあたりまで。都合3度乗り換え、一往復したことになる。
だから、というわけではないが、あと一度、市電の窓からの光景を載せておくこととする。コトコト、ゴトゴト走る市電も、また、その窓から見える外の景色も面白いので。

この電車も28番線を走っていた市電であるが、胴体に何やら絵が描いてある。魚のようだ。タラかもしれない。

窓から見える向こうの窓の中は、カフェのようでもある。幾つものテーブルやイスがある。何人もの人が座っている。
それに重なり、窓のガラスにさまざまなものが写り込んでいる。敷石や電車の落書きや車、といったものが。それらが混じり合い、市電の窓から見える。とても面白い。


左は、市電の木枠。右の方は、すぐ横の家の壁。
手を伸ばせば家の壁についてしまう。オゥ、ギリギリッという所も走る。

地下鉄のバイシャ・シアード駅の入口。
バイシャ・シアード、地下鉄のターミナルである。バイシャ地区の中心部。

このような、”中心部だな”という街中の光景をを見ながら、バイシャ地区からバイロ・アルト地区の方へ、市電は走る。

この二人、お巡りにしては重みがある。
拳銃は持っている。しかし、警棒のようなものも持っている。と言うことは、やはり、お巡り、警官かな。いずれにしろ、頼りになりそうな雰囲気がある。
記憶が確としないが、この少し前に市電を乗り換えているようだ。終点に着き、一旦降りて、また乗って、ということをやったのだと思う。確実な記憶はないが。

このあたりは、また、東の方へ引き返しているんだ。
ここらあたりは、向こうの方へ上っているな。
リスボンの市電、できるだけアップダウンを避けるように走っている。しかし、そうは言っても、坂の街・リスボン、あちこち坂道だらけ。

リスボンの中心部だ。こちらの信号は赤。

そういえば、3度目に乗り換えた電車の運転手は、この男であった。

バイロ・アルト地区からバイシャ地区への道、このような道が多い。グゥッーっと下っているんだ。
バイロ・アルトとは、”高い所”、バイシャとは、”低い”、という意だそうだ。
だからだ。このようなグゥーと下って行く道が多く現れる。

市電の運転席の後ろの木枠。
使われている木、年を経て、何やら飴色になっている。美しいじゃないか。
運転手の手が見える。
昔の市電、路面電車とまったく同じなんだ。走る時には、左手をグルッと囘す。停る時には、右の手だ。

市電28番線、端から端まで4、5キロか、あっても5、6キロ。さしたる距離ではない。
その間を、一両編成の電車、40数分かけて走る。いや、それがとても面白い。
何でもない時間を過ごしている、ということが。