パリ+リスボン街歩き (54) 大航海時代があった。

ツーリスト・インフォメーションでリスボンカードを買った。幾つかの地図も貰った。
早速、国立古美術館へ行こう。リスボンの国立古美術館、ポルトガルを代表する美術館である。
コメルシオ広場の前を市電の15番線が通っている。国立古美術館、テージョ川に沿って走る、その市電15番線の途中にある。ゴー。

市電15番線。リスボンの市電、小さくてとても可愛い。
国立古美術館、ここから数キロ先、西の方へ走る市電の右側に見えてくるはずである。しかし、そのようなものは何も見えてこなかった。市電は、コトコトコトと走り、グゥーと止まる。こりゃ過ぎちゃったな。しょうがない、終点まで行こう。
その内に、ここに着いた。終点のベレン。ベレンは、リスボンの西の端だ。

市電を降りると、前方はこういう感じ。
ベレンはベレンで重要な町なんだ。

あちこちに、観光バスのような大型のバスが留っている。
ここベレンには、修道院その他、世界遺産や名所が幾つもあるのだ。私たちは、国立古美術館を乗り過ごしちゃったので、ここに来てしまったのだが。

テージョ川の方へ歩いていると、こういう敷石の所があった。

と、これが見えてきた。”発見のモニュメント”である。尚、右は、シャネルの看板。

大航海時代と呼ばれる時代がある。15世紀半ばからの200年ぐらいの間である。その間、ポルトガル海上帝国と呼ばれる時代もある。
その全ては、エンリケ航海王子に端を発しているらしい。エンリケ王子自身は、大西洋に自ら乗り出していったことはないそうだ。しかし、エンリケ王子は、多くの航海家、冒険家を育てた。王子、ポルトガル海上帝国の礎を築いた。
故に、王子、大航海時代の嚆矢となった。
エンリケ航海王子の没後500年となる1960年に造られた、コンクリート製の発見のモニュメント、傍までには行かなかった。少し離れた所から眺めたのみ。

その像を拡大する。
先頭、舳先に立っているのは、エンリケ航海王子である。その後ろに、東側、西側、31人の人が彫り出されている。この時代、大航海時代のポルトガルが誇る航海士、冒険家、学者、芸術家、宣教師といった人たち。
私が知るのは、3人のみ。
自身は、フィリピンで殺されちゃったが、艦隊は帰り着いた、初の世界一周のフェルディナンド・マゼラン。1497年7月、リスボンを出港し、1497年11月、アフリカ南端の喜望峰を通過し、1498年5月、インドのカリカットにたどり着いたヴァスコ・ダ・ガマ。そして、1549年、日本へ布教に来たフランシスコ・ザビエル。
今、EU内で、ギリシャ、イタリア、スペインにつぎ厳しい状況にあるポルトガル。ではあるが、大航海時代のモニュメントがあることもいいことではないか、なー。