アレクサンドル・カレリンの名を聞いた。

昨夜遅く、吉田沙保里、やはり勝った。伊調馨と同じく、オリンピック3連覇。

吉田沙保里、決勝の相手はカナダの選手。吉田沙保里、計算しつくされた戦法をとる。吉田沙保里の代名詞・高速タックルをなかなか出さない。しかし、ここぞというところでタックルに入り、第1ラウンドを取った。
第2ラウンドも同様、フェイントをかけるがタックルにはいかない。だが、残り時間が少なくなった、というところで狙いすましたタックルに入りポイントを奪う。

吉田沙保里、勝つ。優勝。オリンピック3連覇。
コーチ、セコンド席へ向かって走る。

吉田沙保里、コーチとしてセコンドについていた父親を肩車する。

自らはオリンピックに出ることは叶わなかったが、オリンピック3連覇、というとてつもない娘を育てたお父さん、娘に肩車され、至福の時を過ごしている。

表彰式、一段高く日の丸が揚がる。
後ろ姿は、吉田沙保里。そこに大きく、ゴールドメダルが重なる。面白い。
もちろん、このような映像、実際に流れたわけじゃない。偶然、こうなることがある。時間のいたずらで。
それはともかく、ここでアレクサンドル・カレリンの名を聞いた。
吉田沙保里、オリンピック3連勝に世界選手権9連覇を加え、12連覇となるそうだ。それが、アレクサンドル・カレリンの記録と並ぶ、という。
アレクサンドル・カレリン、1988年のソウル、1992年のバルセロナ、1996年のアトランタ、この五輪3連覇をした。さらに、1999年まで世界選手権9連覇。合わせて12連覇。吉田沙保里、そのアレクサンドル・カレリンに並んだ。なんて境地に達したんだ。
アレクサンドル・カレリンの名、久しぶりに聞いた。人類、いや、霊長類最強の男と言われているロシアの男である。レスリング・グレコローマン130キロ級の選手。
思い出す、アレクサンドル・カレリンのことを。アレクサンドル・カレリン、百数十キロの巨漢をリフト技で放り投げていた。その顔つき、その力、同じ人間とはとても思えない男である。
アレクサンドル・カレリン、その身体は、鋼鉄で覆われていた。流れる血液には、ニトログリセリンが混じっていた。相手を持ち上げる両腕は、パワーショベルであった。血液に流れるニトロの爆発により、パワーショベルの威力は増した。
それ故、アレクサンドル・カレリン、霊長類最強となった。
今日、吉田沙保里がそれに近づいた。現象では、同じに。あのアレクサンドル・カレリンと。感慨深い。
その吉田にカレリン越えを、という声があるそうだ。世界選手権、さらに、リオを狙え、という声が。吉田沙保里、今、29歳なんだ。もういいのじゃないかなー。
浜口京子と同じく、私たちは、いい夢を、十分に見せてもらったよ。

これは今日の映像。決勝の大一番で、なでしこジャパンがアメリカに敗れた後の映像である。
”15歳で代表入り”、背番号10番、澤穂希である。澤穂希を抜きにして、日本のサッカー女子は語れない。

日本の先発メンバー。

オリンピックの決勝戦だ。サッカー女子、日本のイレブン、世界ランク1位の最強のアメリカと戦っている。
日本、横綱のアメリカと、堂々の四つ相撲を取っている。

先制点、アメリカに許す。前半、早い時間帯に。
それにしても、アメリカの応援席はハデである。

日本、1−2でアメリカに敗れる。いい試合はしていたが。残念だ。

表彰式の後のなでしこジャパン。
この”みんな!ありがとう!”という言葉、おそらくメディアからの言葉であろうが、日本国民すべてからの、なでしこジャパンへの言葉でもある。
よくやってくれた。私たち国民は、十分に楽しんだ。

日付けが変わる頃、ボクシング、ミドル級で決勝へ進んだ、というテロップが流れた。
村田諒太、準決勝でウズベキスタンの選手を逆転で破った。

村田涼太、ミドル級の選手である。75キロ級。重量級に近い。
村田涼太、1、2ラウンドを取られる。相手の方が、手数で勝る。第2ラウンドまで、3ポイントのビハインドを喫す。あと1ラウンドで取り戻せるか。ラストラウンドが始まる。

村田涼太、さすがミドル級、そのパンチは重い。
第3ラウンドに入り、相手のボディーへのパンチ、効いてくる。相手のウズベキスタンの選手、クリンチ、アマチュアボクシングではホールドを繰り返す。こうなれば、押せ押せだ。
村田涼太、3ポイント差を逆転、決勝へ進んだ。
村田涼太のパンチは重い。頂点へ立つ可能性は高い。