地震と津波と原発と。

Hと会い、知り合いの展覧会を観に行った。観た後は、ビール1杯程度で帰るつもりであった。今日は、サッカーもあるし、何より、このところ、それ以上飲むと首ばかりじゃなく身体が痛くなる、という情けない状況にあるから。
近場の居酒屋で飲んだ。画廊に来ていた同年代の女性も加わり。「夕方になると飲みたくなるの、お邪魔じゃなければ」、ということなので。年も取った今の私、お邪魔なんてこと、ほとんどない。
話している内に大震災の話となった。その人、宮城県の出身だという。津波で身内を4人亡くした、という。今年初め、岩手の三陸沿岸へ行った折り、大船渡の盛のバス停で会った男のことを思いだした。
凍えるバス停で話している内に、突然、「親父とお袋が死んだんだ」、と話した男のことを。「大船渡で?」、と聞いたら、「いや、陸前高田だ」、と言っていた男のこと。
岩手にしろ、宮城にしろ、福島にしろ、去年の3月11日の地震や津波で親しい人を亡くした人、多くいる。何かの折り、そういう人と行き会う。今日もそう。
原発の話にもなった。ガレキの話から。東北3県の厖大なガレキ、日本全国処理を受け持たねばならないであろう。ところが、何のかのと言って、ガレキの処理を受け入れない。腹の立つこと、この上ない。
日本列島、地震を誘発する幾つかのプレートの上に乗っている。その上に原発があるんだ。いつ地震が来てもおかしくない。それに伴い、いつ原発に問題が生じても不思議ではない。その時には、放射能を帯びたガレキも生じる。
それを受け入れる、というのが当たり前だと思うのに、多くの日本人は、自分の県には持ってきてくれるな、と言っている。
腹が立つ。じゃあ、電気があまり使えないのも我慢しろ。原発も止めろ、と言え。野田佳彦が言うように、原発は必要だと言うか、困ったことだが、原発はいらないと言うか、どちらにするか。
反対する人が多いようだが、先般の野田佳彦の”原発は必要、稼働やむなし”、の決断は、的を射ている、と考える。
結局、ビール1杯じゃなく、もう少し飲んだ。
地震と津波と原発のことについて喋った女性、このような絵を描く人だった。

2Bのエンピツで描いている、という。
海面だという。海面は、地球の3/4を占めている、という。海面は、地球の襞だ、とも言っていたな。