芙蓉、再び(続き)。

今朝、芙蓉、また咲いた。
昨日開いた3輪は、萎れの度合いを増している。

「明日、咲きますよ」、と言われ、いただいた芙蓉、明日どころか、そのまた明日も開いた。また、3輪。
話好きで親切な女人、2日間楽しめる枝を切ってくれたもの、と思える。ことさらに、そうとは言わず。さすが、人間を永くやっておられるだけあって、おくゆかしい。
     おもかげのうするる芙蓉ひらきけり     安住敦

突き出た雌しべの先端、濃黄色で5つに割れている。
しかし、雌しべ、雄しべなんてことは、言わない方がいいな。なんとなく、その方が、ゆかしい。

それに引きかえ、つぼんだばかりの花は、とても艶やか。

萎れつつある葉も、美しい。
葉の端が、あちこちめくれあがって、だんだんクシャクシャッ、という感じになっていく。平面であった葉が、立体的になっていく。幽き美しさを増していく。

枯れ芙蓉。種子は、すでに落ちている。
自然は、巧まずして、不思議な美しさを形づくる力を持っているに違いない。
こうして見ると、応挙とタイマンを張れるな。さらに、この図のいずこかに、鶏を一羽配すれば、若冲の一幅。