芙蓉、再び。

昨日、夕刻、散歩に出た。いつもとは別の道を。
途中で、久しぶりであの家の木を見てみようか、と思った。9月初めに芙蓉の写真を撮り、話好き、且つ親切なおばさんから、「これ、明日咲きますよ」、と言ってひと枝を頂戴した家。
芙蓉、まだ咲いていた。夕刻だから、つぼんではいるが、花は花。

話好き、且つ親切な女人もいた。先般のお礼を言った。
「いただいた芙蓉、咲きました。ありがとうございました」、と。「ブログをやっているので、そこにも載せました。パソコンは?」、と聞くと、「「そんなもの、やってはいませんよ」、と答えられる。ずいぶん永らく人間をやっておられるようにお見受けするので、そうかもしれない。「また、あげましょう」、と言い、
すぐに引っこみ、剪定バサミを持ってこられる。今度は、脚立も。「まだまだ咲くのがありますよ」、と言いながら、脚立に昇る。落ちないか、少し心配する。「これはどうかな」、とか、「これは明日開く」、とか言いながら、3本ばかり切ってくれる。
「これはどうかな」、とまだ咲きそうな蕾を切ろうとするので、「もう充分です」、と下りていただく。
「もう終わっているのか、と思っていたのですが」、と言うと、「いえ、まだ咲きますよ」、と言い、「午前中に来ればいいのに」、と言われる。先般もそう言われたが、私の散歩、夕刻のみ。午前中は無理。
それにしても、本当にいい人。話していて、気持ちいい。
「家に戻るのは、1〜2時間後になるのですが、大丈夫でしょうか?」、と聞くと、「水切りをよくすれば、大丈夫でしょう」、と言われる。コーヒー屋で文庫本を少し読み、1時間半後ぐらいに戻る。

いただいた芙蓉。
左側の3つの蕾は、翌日咲くであろうもの。右の赤いものは、その日咲き、つぼんだ花。

時間が少し経っているので、水切り、思いっきり短く茎を切る。手ごろな壺に活ける。
ウン、水は上がるだろう。こいつは咲くな、という感じがする。

なんと、夜12時前には、開き始めた。
芙蓉、朝咲き、午後にはつぼむ一日花、と言われているが、どうも、夜中には、すでに開いているようだ。
夜中から、白昼までの半日花なんだな。

今朝、起きたら、このような状態になっていた。
昨夜の3つの蕾、大きく開き、壺が隠れるくらい。
9月初めにいただいた一輪よりも、その花色、ピンクの度合い、やや強い。

夕刻には、こういう状態。つぼんでいる。一輪も、もう間もなく。
いつの間にか、後ろの蕾が膨らんでいる。明日、咲くであろう2つの蕾が、存在感を増している。短時間での主役の交代、なにやら、人間社会と似た構図。

夜、先ほどには、完全につぼんでしまった。
先日、知人から来たメールの中に、「ブログも、しばしも休まず続いてますね」、という一節があった。ヒマなんだなー、という意味合いもあろう。私自身、そう思う。昨夜から今夜まで、まる一日、何の不思議もない、ごくありきたりの芙蓉の花を撮ってたんだから。
     「これ咲きますよ」と君が言ったから十月十六日は芙蓉記念日     詠人知らず