ウーン、残念。

ラグビーW杯、今日、世界ランク1位のニュージーランド戦が行なわれる。中継、楽しみにしていた。フランス戦の後から、ずっと。

胸にサクラのエンブレムのカーワンジャパン、世界最強のオールブラックスと如何に戦うのか、と。
日本代表、1995年のW杯で、ニュージーランド代表・オールブラックスに、17−145という驚くべきスコアで敗れている。大敗という言葉が、逃げ出していくような大敗。たしか、W杯史上、最大の失点記録。
カーワンジャパン、今回はどうなのか。多少は太刀打ちできるのか。日本が、オールブラックスと戦えるチャンスは、そうあるものではない。格が違いすぎる故。オールブラックスとのテストマッチなど、容易く実現するものではない。横綱・オールブラックスの胸を借り、ガツンとぶつかってもらいたい。そう思っていた。
ところが、何と、残念なことが幾つも起こる。
まず一昨日、カーワンジャパン、オールブラックス戦の先発メンバーを発表した。何と、フランス戦の先発メンバーを10人入れ替えた。中心メンバーを外し、いわば控え選手でメンバーを組んだようなもの。控えとは言っても、今の日本代表、過去最高と言われるほどにグレードアップされている。しかし、15人中10人を入れ替えるとは。
ヘッドコーチのカーワンには、カーワンなりの考えはある。どだいオールブラックスには勝てない。主力メンバーは温存し、次の対戦相手、トンガ戦、さらにカナダ戦に力を注入する、という。
カーワン、今回のW杯一次リーグでは、2勝を目標に掲げている。ニュージーランドとフランスには勝てないが、トンガとカナダには何が何でも勝たねばならない、と。一次リーグ2勝には、わけもある。一次リーグで2勝すれば、日本が属するA組で3位になる可能性が高い。そうすれば、次回4年後ののW杯への出場権が与えられる。だから、オールブラックス戦での主力温存も、その戦略のひとつ。
カーワンの戦略、解からぬではない。しかし、残念だ。とても、残念。
オールブラックスとのテストマッチ、16年ぶりである。その世界最強軍団に、日本最強のメンバーで戦わないこと、やはり、不思議だ。腑に落ちない。理由は解かるが、やはり、何故。
それ以上に、温存された、今の日本代表のレギュラーを張る主力選手、彼らは何を思う。ラグビー選手である限り、オールブラックスと戦うことは、夢である。この16年間、オールジャパンの多くのスター選手が、オールブラックスと戦うことが叶わず選手寿命を終えている。今の主力選手、その機会に恵まれながら、叶わぬこととなった。理不尽だ。残念だ。
残念なことは、まだある。実は、このゲーム、もう終わっている。
今日のゲーム、日テレが夜中の1時から中継することになっている。楽しみにしていた。私は、気合いを入れていた。ニュージーランドとの時差は3時間。向うが、3時間遅くなる。それにしても、ずいぶん夜遅い時間にやるものだ、と思っていた。だが、そうではなかった。
現地時間午後2時、日本時間午後5時にゲームは始まっていた。日テレは、ライブではなく、録画中継というものであったようだ。よし見るぞ、と思っていたが、それを知り、見る気が失せた。結果を知ってしまったし。ラグビーというゲーム、結果はともあれ、力の入る攻防が、その醍醐味なんだから。
結果は、83−7で完敗。オールブラックス、13トライ、9ゴールを挙げている。対する日本は、1トライ、1ゴール。日本代表最年長のウィング・小野澤宏時が1トライを挙げた。この得失点、16年前の145−17に較べ、はたして進歩しているのかな。
一次リーグの各組、今まで合計13試合が終わっている。その中で、今日の日本の83という失点、ダントツの1位である。カーワンジャパンが、今日のゲームに主力温存をはかり、何が何でも勝つ、と意気込むトンガ、初戦でニュージーランドと戦っている。負けたが、スコアは、41−10。日本に較べ、はるかに善戦。カーワンジャパン、はたしてトンガに勝てるのか。はなはだ疑わしい。
日本戦でのオールブラックスのハカも見たかった。ハカ、オールブラックスのウォークライ、ゲーム前に行なう戦いの踊り。今日のゲームでのオールブラックスのハカ、ライブで見るのを楽しみにしていたが、その思い、やや失せた。これも残念。
サクラのエンブレムの日本代表がオールブラックスに敗れたことは、さほど残念なことではない。力の差を考えれば、当然すぎるほどの当然。しかし、その過程で、幾つか残念なことがあった。