退場。

死に体であった菅直人、今日、正式に退陣を表明した。退場だ。
薬害エイズで国の責任を認めたり、O157でカイワレを食っていたころが、華であった。大震災、かてて加えて原発事故、という未曾有の大事に対応するには、器が小さすぎた。
もっとも、あの事態に対峙できる政治家がいたか、と言えば、残念ながら今の日本には見当たらない。強いて言えば、小沢一郎か、党派を問わずに言えば、石破茂ぐらいではなかろうか。共に、国民の多くは、やめてくれ、と思っていたり、イヤな顔をしているな、と思われている男であるが。多くの人の顰蹙覚悟で言えば、どうも、そう思える。
昨日、アップルのCEO、スティーブ・ジョブズが退任した。菅直人と違い、こちらは大物の退場だ。
スティーブ・ジョブズ、その時価総額世界一のアップルの創業者。先日、エクソンモービルを抜いて、世界一の企業となった。まだ56歳と若いが、以前から厄介な癌に冒されている。ジョブズ、「CEOとしての職務や期待に沿えなくなった。残念ながらその日が来た」、と社員たちに宛てた手紙に記したそうだ。
アップルの新製品発表の時には、必ずスティーブ・ジョブズが出てきた。ジーパンにTシャツという姿で。何年か前、ガリガリに痩せた身体にダブダブのジーパン、Tシャツ姿で出てきた時の映像が、印象に残っている。
昨日、今日、期しくも時を同じくして表舞台から退場した男二人、私の頭には、カイワレを頬ばる菅直人よりも、削げた頬のスティーブ・ジョブズの顔の方が、強く印象に残っている。