格付け会社。

週末、スタンダード・アンド・プアーズが米国債の格付けを引き下げた。AAAからAA+へ。つい先日、ムーディーズとフィッチは、トリプルAに据え置いたのだが。
米国債の格下げは、初めてのこと。何でも一番が当然、と考えてきたアメリカの威信傷ついた。それよりも、
敵は、ティーパーティーの連中ばかりじゃなく、格付け会社からも叩かれるオバマは困っている。いや、それよりも、
週明けの世界の市場、混乱するだろう。G7財務相による、電話での緊急協議は続けられているようだが。世界各地のマーケット、軒並みさらに下げることになろう。世界同時株安が加速する。いや、それよりも、何よりも、
ドル売り円買いの流れは、止まらなくなる恐れがある。今までの最高値76円25銭を突破すること、十分に考えられる。当然、野田佳彦は介入するだろう。一時的に円安に振れるだろう。
しかし、すぐに円高に戻されるに違いない。日本単独で5兆や10兆円のドル買いをしても、もはや追いつかない。莫大な資金を動かし、為替差益を稼いでいるヤツが多くいるのだから。1円動けば、莫大な利益を稼ぎ出す連中が多くいる。海外のファンドばかりじゃない。日本国内の連中も。
今、日本の大企業の想定レートは、多くは80円。76円25銭を切り、70円台半ばにでも円高が進めば、目も当てられなくなる。だが、そうなる恐れ多分にある。
それにしても、格付け会社というもの不思議なものだ。S&P、ムーディーズ、フィッチの大手3社ばかりでなく幾つもある。もちろん、日本にもある。中国にもあることを知った時には、ヘーと思った。
しかし、驚くほどのことではないんだ、と思い直した。今の中国、社会主義国家とは名ばかり、超の字がつく資本主義国家なんだから。私から言わせれば、資本主義の負の部分を寄せ集めた、修正資本主義。ま、それは措いておくとして、
その中国の格付け会社が、米国債の格付けを、Aプラスだったかマイナスだったかにしていたのを見た時には、驚いた。笑った。アメリカの3大格付け会社が、日本や中国に格付けているAAマイナスよりも低い。Aプラスでも、S&Pのイタリア並み。
それならどうして、中国は、米国債を世界で一番多く持ってるの、と誰でも思う。理由はあること、解かるのだが。ドル元レートを低く抑えたいがため。バンバン輸出して儲けたいがため。そのために、米国債はじめドル資産をドンドン増やしている。
仮に米国債が暴落すれば、手ひどいしっぺ返しを食うことになること、解かっているのに。だが、実態を反映していないレート、やはりズルイ、と思わざるを得ない。
それはさておき、中国の格付け会社も、米国債の格付けをシングルAじゃなく、せめてダブルAぐらいにしてもいいのでは、と思うが。アメリカの格付け会社が、中国に付けているものと同等に、と。
格付け会社の格付け、最新のテクノロジーを使ったものではあろうが、主観的なものでもある。それにしても、格付け会社って面白い存在だな。