円高ねー。

ドル円相場77円を切り、昨日、野田佳彦が打った市場介入、一日を経ずして円高に戻している。
一時は、3円以上も円安に振れたので、いったい幾らドルを買ったのだ、と思っていた。兆の単位だな、とは思ったが、どうも4.5兆円を投入したようだ。過去最高額、驚くべき数値である。それでも、すぐ戻される。単独介入では市場に太刀打ちできない。
米欧が協調介入をしてくれるわけはないし、それどころか、欧州中央銀行総裁のトリシェは、「ユーロ圏の景気下ぶれリスクが高まる可能性がある」、なんて余計なことを言う。ユーロ圏の諸国、ギリシャばかりでなく、イタリア、スペイン、その他あちこち信用不安が言われているので、事実ではあるのだが。
3日前、当面のデフォルトが回避されたアメリカも、経済の先行き懸念感が強い。だから、米欧共、日本の単独市場介入に不快感を示している。しかし、必ずしも、日本をいじめているわけではなさそうだ。世界中が大変なんだ。
昨日のNYダウ、512ドル下げた。リーマンショック渦中の2008年12月1日以来、2年8か月ぶりの下げ幅。この10営業日で1300ドル、10.5%下げている。世界中の市場、当然それに近い。日本も。今日の日経平均、359円下げ9300円を割りこんだ。大震災直後以来の値。
世界同時株安。ドル、ユーロはじめ、各国通貨の価値も下がっている。しかし、円のみその値は上がっている。何ということ。大震災後の日本、厳しい状況にあるというのに。円高かー。円高ねー。
円高になっても、個人的にはいいことは何もない。時折り旅行に行っていたころなら円高歓迎だったが、旅行にも行かなくなった。ブランドものどころか、輸入品など何も買わない。思い浮かぶのは、ガソリンぐらいか。円高の恩恵を受けるのは。
ヘンなことを考える。日本の外貨準備高、7月末には91兆円あった。昨日、野田佳彦が4.5兆円分ドルを買ったので、今の外貨準備高、95兆円を超えた。おそらく、そのほとんどはドルだろう。そんなにドルを貯めこんでどうするのかな。円高になる度に、外貨準備高は増えていくのだから。
円高になって、日本の輸出企業が困るのは当然だ。自動車であろうと、電機であろうと。産業空洞化がより進む、ということもあろう。それが趨勢だ。そう思わなくっちゃ。
日本という国を考えた時、歴代の政府が遅れをとっていることがある。
FTA(自由貿易協定)だ。FTA、イヤになるくらい遅れている。歴代政府、農業従事者の反発が恐い。しかし、いつかは決断しなければならない。世界で生残るためには。
円高云々の為替レートよりも、大きな問題じゃないかな。