8月始まる。

8月になった。
日本の8月、二つの顔を持つ。暑い8月と、祈りの8月。
今日も曇天、過ごしよかった。そう言えば、ここ暫くこのような天気が続いている。このまま行けばありがたいが、そうは行かないだろう。暑さが襲ってくるに違いない。暑い8月が来る。
佛さまをひとつ。

東博のガンダーラ佛。

「如来坐像」。正面から。
クシャーン朝、2〜3世紀にガンダーラで造られた佛。ギリシャ彫刻の影響を強く受けた仏教彫刻。最も古い佛さまの姿である。
ガンダーラ、今のパキスタンの北西部、アフガンとの国境地域。今も、キナ臭い匂いが漂っている地域。佛さまの祈りなど、スッカリ忘れ去られているが、地上に表われた仏像の嚆矢はガンダーラ佛。

端正なお顔、憂いに沈んでいる。
丸い頭光には、インドの神さまが彫られている。向かって右はインドラ(帝釈天)、左はブラフマー(梵天)である。
東博の東洋館、一昨年から来年まで、3年にわたり改修中である。で、表慶館で、「東洋の美をめぐる旅へ」という代替展示を行なっている。こじんまりとした展示であるが、観るには頃合い。
上のガンダーラ佛は、6月に展示されていたものだが、今でも変わってはいないだろう。
暑い8月、祈りの8月が始まった。