究極の三角と六角(続き)。

杉浦、アトリエを持っている。
二人の娘が嫁に行った後、その部屋をアトリエに改装したそうだ。リタイアした後、毎日アトリエに籠っているらしい。好きなジャズを聴きながら。羨ましいヤツだ。
個展での発表は、いわば公。アトリエの模様は、これは私。アトリエ、制作現場であるとともに、いわば、バックステージ。何ごとによらず、表舞台よりバックステージのほうが面白い。構想中のもの、上手くいかなかったもの、さまざまなものが詰まっている。それがまた、面白い。
去年の春、目黒川で花見をした後、すぐ近くの杉浦宅で、10人ばかりの仲間と宴会をした。その時に撮ったアトリエ内に掛かっていた作品を載せよう。いずれも、概ね小ぶりなもの。大きな作品は、別の部屋に収納している。

アトリエの壁面、杉浦の作品が多く掛かる。三角と六角が増殖した作品が。

天井のほうまで。

ブラッシュや色鉛筆などが多く乗る机の上のほうにも、小さな作品が。前のガラスには、背面の作品が映りこむ。

少し離れた台の上には、シャープペンシルや消しゴム、テープが乗っている。
杉浦の作品、まずは、これらの道具から生み出されるようだ。

アトリエの外壁には、少し前の平面作品が掛かっている。

アトリエの突きあたりには、このような立体作品が。
何年か前の杉浦、三角や六角を湾曲させたり、いびつにしたり、ということを試みていた。

その反対側に掛かる作品。この作品も、三角形の辺を直線じゃなく、曲線に置きかえた立体作品。

別の壁面には、さまざまなデッサンが貼りつけてある。紙に色鉛筆で描かれたもの。これが、面白い。制作のバックステージを覗き見る面白さ。
これを睨みながら、作品の構想を練りあげていくのだろう。

多くの絵描き、作品を描くについてのデッサンや下絵を描いている。究極の三角や六角を追い続ける杉浦も、そう。
このようなデッサンを、積み重ねているのだろう。三角と六角を究めるために。しかし、こうして見ると、デッサン、なかなか面白い。
究極の三角と六角を追い続ける、杉浦アトリエのバックステージ・ツアー、これにて。