みんぱく。

みんぱく(国立民族学博物館)が、昨日の夜のNHKに出てきた。
爆笑問題の二人の番組、「爆問学問」。題して「世界一周”イケ面”探しの旅」。

爆笑問題の二人組に、ゲストは、怪奇、怪異なものなら何でもござれの怪物・荒俣宏と、訪れた国100か国を超えるという、旅のベテラン・竹内海南江。

「みんぱく探検」と銘打っているが、30分ばかりの番組で、あの「みんぱく」を探検できるワケはない。で、お面だけに絞ったようだ。
しかし、お面だけでも、それは無理。ましてや世界一周とは、NHK、みんぱくを知ってるのか、と言いたい。タイトルの”イケ面”の語は、まだいいが、”世界一周”は、大袈裟の度が過ぎる。

で、こういうクイズ形式も取り入れる。

仮面をつけた踊りも。

ここは、日本のコーナー。まあ、ごく一部であるが。
日本には、10余の国立の美術館、博物館がある。その中で、民族学に特化したみんぱく(国立民族学博物館)は、私の知る限り、唯一、世界の同種博物館と肩を並べる博物館である。いや、凌駕する。その質と量に於いて。
東博はじめ、他の国立博物館・美術館は、残念ながら、欧米の博物館・美術館に、その規模、遠く及ばない。唯一、日本が世界に誇ることができるのが、みんぱくだ。
みんぱく、開館は、1977年。万博の跡地に造られた。推進したのは、昨年死んだ梅棹忠夫。一般に公開されている博物館と、民族学、文化人類学の研究機関との、二つの機能を持つ。
我国の博物館としては、規模も大きい。常設展と、ユニークな企画展とを催している。みんぱく大好き人間の私、大阪に行き、時間がある折には、みんぱくへ寄る。ここは、ともかく面白い。

NHKのニュースに出てくるキャスターなど、尊大なヤツもいる。だから、私、ニュースを見なくなった。しかし、このような番組では、NHKも軽くなった。
”クリソツ”とは、”ソックリ”のことなんだ。オッ、これは田中邦衛だとか、大屋政子だとか言っていた。太田光も、案外古い。いや、才人の太田光、古いことも知っている、ということかも。

ここから、少し面白くなった。真ん中に座っている人、国立民族学博物館の教授・吉田憲司。
異界の力を目に見える形にして、とか、異界の力をコントロールしない限り、とか、要するに、仮面というものは、異界と村落を結ぶひとつの手段だ、と言うのだ。
このみんぱくの教授・吉田憲司、1984年以来、ザンビアでのフィールドワーク21回に及び、彼の地の秘密結社のメンバーでもあるそうだ。秘密結社のメンバーになるまでには、1年2か月かかったそうだが。

お面、仮面とは、今までになかったもの、つまり、非日常のものなんだ。だから、彼の地では、ヘリコプターも仮面になる。

こういうことらしい。

@国立民族学博物館、つまり、アットみんぱくで仮面を被れば・・・・・、と言っているのだ。
確かに、そうだ。みんぱくへ行けば、何かが変わる。見えてくる。
たった30分では、みんぱくの面白さ、さほど伝わらなかったが、ザンビアの秘密結社のメンバー、かつ、みんぱく教授・吉田憲司の話は、面白かった。
それもこれも、梅棹忠夫がいたからこそ。梅棹忠夫が、みんぱくを造ったればこそだ。
去年7月、梅棹忠夫が死んだ後、私は、7月9日のブログに、梅棹忠夫のことを書いた。
その日、「偉大な恩人の死」として、梅棹忠夫のことを。
前半は、野球賭博で琴光喜と大嶽親方が、相撲協会から解雇されたことや、サッカーのW杯のことを書いているが、後半は、”日本人にとっては、「本当の偉人、偉大な恩人の死と言えるのではないか」、と梅棹忠夫のことを書いた。
もし、時間のゆとりのおありの方は、その日のブログをご覧ください。
日本という国にとっての梅棹忠夫の果たした役割り、お解かりいただけるはずである。