それがどうした。

このところ雨続き。いつの間にか、梅雨に入ったらしい。
半月近く前、散歩の途中に近場の公園へ寄った。桜のころは、時折り寄っていた公園。
私が、地面に散り敷いた桜花の絨毯を、”花漠”(この言葉、憶えてくださっておられようか?)と名付けたところだ。歳時記の”花の塵”や”花屑”では、あまりにも味気ないので。

小学生坊主や幼稚園坊主が、サッカーボールを蹴って遊んでいる中央広場の地面、美しい。

よく見ると、茶色っぽいところ、桜蘂が集まっている。
坊主たちに踏まれたり、風に吹かれたりしながら、あちこちこのような形、模様になったのであろう。桜蘂が降って1カ月以上も経っているのに。そうか、桜蘂ってすぐなくなるものじゃないんだな、と思った。

より近づくと、干乾びた桜蘂、漢方薬のよう。万病に効きそうだ。
そろそろ、「バカなことを考えるヤツだな」、とか、「それがどうした」、という声が聞こえてきそうだが、そういうことなのだ。バカボンのパパも言っている。「これでいいのだ」、と。

今日夕刻、散歩の途中また寄ってみた。あの桜蘂、どうなってるかな、と思い。
外に出ると、雨足、思ったより強い。公園の広場にも、サッカー坊主たちはいなかった。台風も近付き風も少しあるんだから、当たり前か。
桜蘂は、半月前とさほど変わらず、あった。雨に打たれ、クタッとなっていたが。
いよいよ、「それがどうした」、となるかな。

雨に濡れた落ち葉が、光っていた。クタッとした桜蘂のほうは、これじゃ万病どころか、腹イタの薬にさえなりそうもない。
「それがどうした」って?、そういうことなのだ。