抑圧、いつかは壊れる。

3日前、アルジャジーラから引いた、若いリビア女性が国旗を持つ写真を載せた。
「闘いに勝利するか、さもなくば、死す」、と手書きされたもの。命を賭して闘う人は、強い。
カダフィのリビア、いよいよ末期に入ってきた。
NHKとフジテレビの映像から引く。

5日前、16日に東部のベンガジから始まった反政府行動、東部のみならず、すぐに首都・トリポリにも及んだ。
アメリカの人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、トリポリでの死者61人、リビア全土で233人、と発表したそうだ。
この画面の背景は、You Tubeに投稿されたもの。You Tubeには、ボケたり流れたりした映像が、リビアから数多く投じられている。銃撃の音も聞こえる。
それを見ていると、死者の数、とてもこんなものでは収まらない。さらに今後、その桁は上がるだろう。死を恐れず、命を賭けて闘っているのだから。

デモの人たちを狙い撃つスナイパー、サハラ以南からの傭兵だという。金で雇った黒人兵に、自国民を殺させている。

これも、You Tubeへ投じられた映像。ボケているからこそ、余計に切迫感がある。
先ほど、最新ニュースをチェックした。
BBCは、中印リビア大使が政府の強硬手段に抗議し、辞任したと報じたそうだ。ロイターは、法相がやはり抗議の辞任をしたと報じ、アラブ連盟のリビア代表も抗議の辞任、と。そのアラブ連盟の事務局長・ムーサ(暫く前にも記したが、エジプトの新しい大統領候補のひとりだ)も、リビアの反体制派への支持を述べた、という。
ついこの間まで知らなかったが、リビアには、憲法も議会もない、という。そんな国があるとは、知らなかった。あのカダフィの顔だけでやってきた国なんだ。あの顔ひとつで、国民を抑えつけてきたんだな。しかし、抑圧、いつかは壊れる。それが歴史だ。世界の歴史、それを証明している。

中東の激動、アメリカも気をも揉んでいるが、それ以上に気を揉んでいるのは、中国だ。
案の定、北京、上海、その他の都市で、こういう呼びかけがあった。チュニジアの”ジャスミン革命”を引き継ごう、というもの。
中国、胡錦濤の独裁体制とはいわないが、共産党の一党支配であることは事実。富の格差も甚だしい。さらに、民族問題も抱えている。問題山積だ。反体制運動のキッカケ、常にある。

北京や上海ばかりでなく、西安、成都、長沙、杭州、広州、といった都市で。ネットを通じて。
いつもながら、中国当局、ネットを遮断している。百度(Baidu)でも、出てくるのは、リビアの一般的なことのみ。今の状況は出てこない。

中国、”芽を摘む”、という作戦を考えているようだ。ともかく、小さいうちに、摘んでおく、というものだ。
これは、今日の上海の模様。中央のメガネをかけた男が、警官に拘束されている。その周りにいる私服の男たちも、秘密警察だろう。
如何なる事情があろうとも、抑圧、いつまでも続くワケはない。
もちろん、この映像、NHK、日本のテレビの映像だ。中国では、流されていない。

パンダの比力と仙女が、今日、日本の上野動物園へ旅立った、ということは報じられているのだが。
パンダを日本へ貸してくれるのは、喜ばしいことだ。借り賃が、年に1億近くかかる、なんてケチなことをいっているヤツもいるが、何いってんだあなた、といいたい。1億なんて、安いものだ。
何よりパンダ、子供が喜ぶ。子供が喜ぶことは、いいことなんだ。
それはそれでいいのだが、中国のメディアも、パンダばかりじゃなく、反体制運動の起こっていることも報じなきゃ。それができなければ、崩壊する。
抑圧、いつかは壊れるのだから。