偶然に。

検察審査会の審査員は、一般市民からくじで選ばれる。ある日、偶然に。
たまたまくじ引きに当たった普通の人が、”検察は、誰それを不起訴処分にしたが、はたしてそうか、おかしいのじゃないか”、ということを審査する。くじに当たった11人の審査員は、メディアがよく行っている世論調査の縮小版のようなもの。供述調書や証拠書類、さまざまな資料を基に判断を下すのであろうが、いわば、心証判断というものに近いだろう。
となると、岩手県民を除き、小沢一郎は、説明責任を果たしていない、と言うのはまだしも、怪しいとか、限りなく黒に近いグレーだとか、小沢一郎は嫌いだとか、という人が7〜8割いる世論調査同様、偶然、検察審査会のの審査員に選ばれた皆さんが、起訴すべし、という結論を出すのは、当然だといえば当然。何度やろうと。
大阪地検特捜部の問題もあり、検察に対する信頼は崩れている。常識的な市民目線が必要、とのこともある。また、起訴された事案の99%が有罪になる、という現実も、恐ろしいといえば恐ろしい。事件を作るための証拠改竄、無謀な供述調書で、検察が冤罪を作っていることもあるかもしれない。村木さんの場合は、疑いは晴れたが、有罪となった村木さんがいるかもしれない。
そうは言っても、くじ引きで、たまたま偶然に選ばれた普通の人が、心証判断、ある人に対する印象で、こいつは起訴すべき、ということを決めるのも、正直に言えば、それでいいのかな、ということも考える。おそらく将来、何らかの問題が起こるような気がする。小沢一郎のケースとは別に。
昨日、強制起訴すべき、と判断された小沢一郎の場合は、裁判で争うのがいい。小沢の場合は、一度は裁判で決着をつけねばならないのだから。そうでなければ、この問題、一生付きまとう。そして、裁判で、黒となれ白となれ、もう引退をすべきだ。
東京も離れ、いつかも書いたが、水沢で本でも読んでいるのがいい。時には、碁を打ち、たまには、海釣りに行けばいい。水沢にも、碁敵や海釣りのお伴をする人はいるだろう。小沢にとっても、日本にとっても、それがいい。
これも、偶然に、と言っているが、菅直人は、今朝がた、ブリュッセルの王宮の廊下で、温家宝と話をしたそうだ。ASEM(アジア欧州会議)の首脳会合での夕食会の後のことだそうだ。
食事の後、歩いていたら偶然会ったので、”やあやあ”、ということで、廊下の椅子に座って25分くらい話をした、とのこと。双方共に、主張を述べ合った程度のものだったらしいが、菅直人は、大満足だったろう。菅直人、1泊3日の強行日程でブリュッセルに行き、多くの首脳と話はしているが、主目的は、この時があることに賭けていたのだから。
それにしても、この偶然を装ったふたりの出会い、裏方は大変だったろう。直前まで、携帯片手に、走りまわっていたんじゃないかな。自国のボスの面子は、潰さぬよう、そして、すぐカッカする自国民にも、説明がつくように、と。
その後報じられた、日中双方のメディアの報道内容を見ても。