静かな京橋。

夕刻、京橋の画廊へ。学生時代のサークルの、先輩方のグループ展のオープニング。
私は、故あり、長い間在籍したが、ほとんどの人は、4年間で大学を卒業する。だから、同じサークルに所属していたといっても、交流があるのは、前後数年の人たち、というのが、まあ通例。故に、前後10年ぐらいの人たちで、グループを作っている。
当然のことながら、先輩方のグループは、70代以上の方ばかり。出展者は、年々少なくなっているそうだ。オープニングで、出展者の皆さんそれぞれ短い挨拶をしていたが、その話、病気がらみのことが多かった。その過半は、あちこちの癌。この年代になると、どこかの癌にならないと一人前じゃない、とも思える皆様方の挨拶であった。
しかし、幾つになっても創作意欲を持ち続け、出展を続けている皆様方、精神的には意気軒昂、お元気であった。御同慶の至りだ。
先輩方のグループ展ではあるが、私たちのグループに入っている者も、少数出展している。山本宣史もその一人。山本の出展作、載せておこう。

私の知る山本、このところ日本画を追求している。
これは、水墨画。タイトルは、「椿」。
この5月に急逝した島谷晃の作品もあった。物故会員の作として。
島谷は、私たちの仲間では唯一、プロの絵描きとして、死ぬまで絵筆一本で喰ってきた男。だから、以前から、先輩方のグループ展にも出展していた。その島谷の作品は、これ。

F10号の水彩画。タイトルは、「秋の想い」。
島谷の作品に関しては、彼が死んだ後、このブログでもその軌跡を追い、「島谷晃の世界」として、10点ばかり掲載したが、この「秋の想い」という小さな水彩画、いかにも島谷らしい絵だ。
この絵、いつ描かれたのかは解からないが、島谷の初期のころの作品を思わせる。
オープニングの会場を出た後、何人かの仲間と、近場の居酒屋で飲んだ。7時前後だというのに、店の中にはひとりの客もいない。
月曜日ということもあるのだろうが、東京駅のすぐ近く、ビジネス街の京橋、このような時間でも客はいないんだ。今の経済情勢にも、関係があるのだろう。京橋で飲むことなどほとんどないが、少し驚いた。