青空。

2〜3日前までの寒さがウソだったように、温かい日であった。
4時ごろ外へ出ると、抜けるような青空である。夕刻近いというのに。一片の雲もなく、心地よい青空が広がっている。
近くの木々は、若々しい青葉を纏いつつある。まだ4月だというのに、急に初夏が来たような。

見上げると、新緑が眩しい。
左の木は、黄味が8分に青味が2分。右の木は、黄味と青味が半々といったところだろうか。新緑、同じ緑とはいっても、木によってそれぞれ変化のある色づきである。
しかし、いずれもこれからの命、若さということを感じさせる。ましてや、雲ひとつない青空の下では。

まだ黄味が勝ったこの木の若葉は、光を透して、青空が透けて見えるような感じさえある。
この木の将来、どのようなものだか、私には分からない。だが、一片の曇りもない青空の下での若葉を見ていると、きっと明るい未来が待っていることだろう、と思えてくる。
夜、NHKの「伝説のボクサー・カシアス内藤」、という番組を観ていたら、カシアスの息子が出てきた。
カシアス内藤は、3〜40年前のボクシングファンには、忘れられないボクサーのひとりだ。
黒人米兵と日本人の間に生れたハーフ。東洋ミドル級チャンピオンにもなった。今年、60歳。今、ボクシングジムを開き、将来のチャンプを育てているが、末期の癌とも闘っているという。
あの輪島功一とも、壮絶な打撃戦を演じた。敗れたが。KOされた。その映像も出てきた。東洋ミドル級のタイトルは、韓国の柳済斗に敗れ、失った。柳とは、その後、3度戦ったが、一度も勝てなかった。なにしろ柳済斗は、東洋ミドル級のタイトルを21回も防衛し、世界チャンピオンにもなった強豪だったから。
懐かしかった。しかし、カシアス内藤やボクシングについて書いていたら、終わらなくなる。カシアスの息子について、触れようと思っていたんだから。
カシアス内藤の息子は、名を内藤律樹というそうだ。去年の国体はじめライト級の主なタイトルを総なめ、高校3冠となったそうだ。ロンドン五輪を目指しているという。
将来のある若者だ。若木であり、青空の下での新緑と同じだ。

この写真、NHKの画面を撮ったもの。サンドバッグを叩く、内藤律樹だ。
サンドバッグも、練習用のスウェットスーツも、グラブも、みな赤い。だが、私には、昼間見た抜けるような青空や、その下での光り輝く新緑と同じように見えた。
若木であり、これからの人生なんだから。
カシアス内藤については、いずれまた書こう。青空や若木とは、また別のボクサー人生について。