金色と橙色の国なんだが。

夜のニュースで、一昨日(10日)、バンコクでの騒乱で銃弾を受け死亡した、ロイターのカメラマン・村本博之さんが、最後に撮った映像が流された。
タクシン支持派のUDD(反独裁民主統一戦線)と治安部隊との衝突、その双方の場に、身を置いて撮影した、と思われる映像であった。
村本さんのカメラは、一時行方が分からなかったそうだが、今日UDD側から返されたとのこと。
タイは、アセアンの中核国家のひとつ、一週間ほど前、ビシケクの騒乱で、政府が転覆したキルギスなどとは、国家の実態は、まったく異なる。途上国の先頭を走る、とは言えないが、2番手グループに位置する国である。
しかし、時折り騒動が起こる。国外亡命中のタクシン支持派と、時の政府との間で。タクシンは、開発の遅れた地方で、経済発展に取り残された人々の間で、支持を伸ばした。根強い人気がある。その意味では、発展途上国の2番手グループぐらいを走る国だとはいえ、さまざまな歪み、ゆがみがある国ではある。
だから、時折り、赤い色のシャツを着たタクシン支持派と、黄色いシャツを着た反タクシン派の衝突が起こる。
バンコクの町中は、きちんとしたビルが建ち並ぶところもあるが、概ねゴチャゴチャとした町である。なにしろ、交通渋滞が凄い町である。それだけ活気がある、とも言える町である。
だが、タイは、敬虔な仏教国でもある。バンコクの町中には、多くのお寺がある。お寺には、金ピカの仏さまが多く安置され、橙色の僧衣を着たお坊さんを多く見かける。
数年前に撮ったものだが、金ピカの仏さまの前で、橙色の衣を纏った若いお坊さんが、子供たちに勉強を教えている光景もあった。喧噪の町中から少し入った、お寺の中だったが。

本来のタイは、赤シャツと黄シャツの衝突とか、赤シャツと濃緑色の軍服の衝突とかでなく、金色に輝く仏さまと、橙色の僧衣のお坊さんの国なんだがな。