頑張った。

2日ほど寄り道していたら、バンクーバーでのパラリンピック、終わった。
その間にも、日本の代表選手頑張って大活躍、メダルを取ったし、最終日の今日(現地時間では、昨日)は、スキー、ノルディックのスプリント立位で、男子は、新田佳浩が金、女子では、太田渉子が、銀を取った。
日本選手団主将の新田、これで、10キロクラシカルと合わせ、2つ目の金メダルとなる。馬力勝負のノルディックで金ふたつなんて、驚くほかない。それも、10キロと1キロのスプリントという、長短の距離競技で共に勝つなんて。もちろん、ワックスマンの力も大きかったのだろうが、新田佳浩、右手一本のストックで、懸命に走っていた。今日は、ロシアの強豪の猛追を躱し。
閉会式の旗手は、アルペン男子ダウンヒル(滑降)座位で、銅を取り、2日前のスーパー大回転座位では、金を取った狩野亮が務めた。この両種目で、共に表彰台に上がった先輩の森川大輝に引っ張られて、強くなった選手だという。
なお、アルペン女子の回転と大回転座位で、2つの銅メダルを取り、さらなるメダルの上積みが期待された大日方邦子は、その後のダウンヒルで転倒し、頭部を強打、その後の競技には出られなかった。パラリンピックには、5回出場し、10個のメダルを取った大日方、今回で引退するそうだ。一般には知られていないが、傑出した巨人の退場であろう。
それにしても、健常者のダウンヒルも凄いが、足に障害がある人の座位のダウンヒルも迫力がある。急斜面を、最高時速100キロを超えるスピードで滑り降りる。椅子の下にスキー板を付けたようなものなので、用具のテクニカルな要素もあり、どこか、F1レースを思わせる。通常のダウンヒルも面白いが、座位スキーのダウンヒルも、とてもエキサイティングなスポーツだ。
強豪カナダを破り、決勝に進んだアイススレッジホッケー、昨日、世界ランク1位のアメリカに敗れた。でも、予選では、6対0で負けたが、昨日の決勝戦では、2対0であった。大善戦だ。
1対0の時、ペナルティーショットを得、追いつくか、と思われた場面もあったが、アメリカのゴールキーパーに阻まれた。スティーヴ・キャッシュというアメリカのゴールキーパー、バンクーバーでの全試合、全てのシュートを受け止め無失点。アメリカは、全試合、完封ゲーム、キャッシュは、その立役者となった。で、日本は、銀。これも、凄い。
結局、日本は、金銀銅合わせて11個のメダルを取り、前回トリノの9個を上回ったばかりか、目標としていた10個も上回った。国別メダル数でも、オリンピックの時と異なり、第6位。障害者のアスリート、頑張った。
なお、メダル総数の1位は、オリンピックではふるわず、プーチンやメドベージェフ以下官民あちこちから非難を浴び、スポーツ担当大臣が辞任に追い込まれたロシア。38個のメダルを取った。プーチンやメドベージェフ、そして、無念の元スポーツ担当大臣、今ごろ何を思っているのだろうか。
それはともかく、パラリンピックで最も顕著な選手ということだと思うが、男女ひとりずつの大会表彰選手の男子に、日本の遠藤隆行が選ばれた。女子は、夏冬両大会で複数のメダルを取っているという、カナダのコレット・ブルゴニエという48歳の選手。
この賞、韓国人の医者が提起したものだそうだ。ソウルのパラリンピックの時に。だから、その名をとって、ファン・ヨン・デ賞というらしい。日本も含め、それ以前にパラリンピックを開催した国は幾つもあったのに、このようなことは、思いつかなかったんだな。韓国人の医者が考えたようなことは。
それもともかくとして、この賞を受けた遠藤隆行、アイススレッジホッケー・チームの主将である。32歳。産まれた時から両足が無かったそうだ。両手だけで、富士山にも登っているそうだ。何度かテレビ画面で、彼の話すところを見たが、とてもアグレッシブな闘将である。それと共に、とても冷静な感覚を持った男でもある。
このような男に率いられた日本のアイススレッジホッケー・チーム、銀を取って、不思議ではない。
それと共に、大会表彰選手に選ばれて、何の不思議もない。
パラリンピックの日本選手団、頑張った。私たち国民に、力を与えてくれた。
あとは、私たち国民は、どう応える、国は、どう応えるか、だな。